屋根の性能を維持するためには、不具合箇所を適切に処置することが大切です。
そのためには、定期的な点検を行い早期に発見することが重要です。
痛みを放っておくと、どんどん家の傷みが広がってしまい、修理が高額になってしまいます。
では、どんな傷みが出てくるのか、また、どうメンテナンスをしていけばよいのでしょう。
1.金属屋根の劣化症状
金属系の屋根材の種類は、トタン、ステンレス、ガルバリウム、銅板、チタンなどがあげられます。
中でも、ガルバリウム鋼板の屋根は最近主流になってきています。
種類によって耐用年数が変わり、塗り替えやメンテナンスが不要などと言われますが、周辺環境によって劣化具合は変わりますし、下地材との
み合わせなどから不具合が起きてくる場合があるので、定期的な点検は必要になります。
では、金属屋根にはどんな症状が出るのでしょうか。
1-1.金属屋根の劣化症状
錆び | 緩み | 水たまり |
1-1-1.錆び
金属屋根の錆びの原因は、金属表面に防錆びの為にコーティングされている塗料の耐久性が、紫外線や雨などによって落ちてしまい、錆びてしまうことが原因です。
また、錆びに強いといわれている金属屋根の種類でも、屋根材を留めているボルトやビスが錆びることによってもらい錆びを起す場合もあります。
金属系の屋根材にはどうしても錆びがつきものになります。
そして、腐食が進んでいくと穴あきにつながってしまうのです。
1-1-2.変形・へこみ・ビス等の緩み
ステンレス屋根など、点検で登った時や、アンテナを設置するときに登った時にへこみが生じてしまう場合があります。
また、工法にもよりますが、屋根材を留めているビスやボルトが緩んでいる箇所やその付近が風などによってハゼ止めが緩んできてしまい、浮きや剥がれの症状を引き起こします。
それにより、台風などの強風の天候の時に、めくれ上がって飛んでしまうこともあります。
1-1-3.水たまりができる
塗料の劣化や、屋根材のゆがみから勾配がおかしくなり、うまく水が流れ落ちず水たまりになってしまうことがあります。
水は錆びにつながりますし、雨漏りの原因となります。
2.金属屋根のメンテナンス方法
2-1.金属屋根の屋根塗装
2-1-1.金属屋根の劣化症状
- チョーキング
- 変色・褪色
- はがれ・錆び
- 撥水性の低下
2-1-2.金属屋根の屋根塗装の工程
【工程1】高圧洗浄
塗装を始める前に、十分な水圧で高圧洗浄を行います。
屋根に付着している錆び・カビ・古くなって剥がれた塗料・汚れなど、高圧洗浄機を使って落とします。
しっかりと汚れを落としておかないと、塗料の密着が悪くなったり、塗料の性能が発揮されなかったりして塗膜の劣化に繋がるのでとても大事な行程です。
そして、洗浄後はしっかりと乾燥させることが重要です。
水分が残っていると、水ぶくれや塗膜剥離につながってしまいます。
【工程2】下地処理と補修
これはとても重要な工程です。ここをおろそかにすると、いくら良い塗料を塗っても意味がなくなってしまいます。
ひび割れや剥がれ部分の補修やケレン作業をします。
ケレンとは、錆びや古くなった塗膜を剥がす作業のことです。専用器具を使って表面を滑らかに綺麗にしていきます。
【工程3】下塗り
下塗りは色つけではありません。この後に塗っていく塗料の壁の吸い込みを抑えるための塗料です。
この後に塗装する上塗り塗料の密着性を高めます。
使用する塗料は、さび止めや遮熱などの目的によって塗料を選定します。
【工程4】中塗り・上塗り
中塗りと上塗りで同じ塗料を使用することが多いです。
塗装はしっかりと乾燥させてから重ね塗りをすることが大事です。
2-2.金属屋根のカバー工法
既存の屋根材を撤去せずに、その上に新しい金属屋根を取り付ける方法です。
屋根が二重になるため、「重ね葺き」とも言われています。
廃材が少なく、比較的、安価で施工することができます。
重ねて屋根を設置するため、家の重量が少しあがってしまうのが気になる点です。
2-3.金属屋根の葺き替え工事
この工法は大がかりな工事になると思っていいでしょう。
劣化が内部まで進んでしまっている場合などは、屋根材や場合によっては下地まで全て取り替える工法です。
廃材はたくさん出るし、屋根材、その他全て交換になるため、高額で施工期間も長くなります。
その為、定期的な点検やメンテナンスをして葺き替え工事を避けるようにしましょう。
3.まとめ
現在、メンテナンスフリーなどと紹介されている金属屋根を多く見かけます。
しかし、何も気にせずにいても劣化しない屋根材はありません。
日頃から点検やメンテナンスをして劣化を防ぐことが、長く屋根をもたせる一番の方法です。
ですが、屋根の点検は上に登らなければできません。
さらに、その上で作業するとなると危険が伴います。
また、雨漏りなど天候の良い日に見ても分からないため、わざわざ天候の悪い日を選んでチェックするのも危険極まりないです。
プロが見なければわからない不具合はたくさんありますし、無理をせず専門の業者に点検をしてもらうことが良いでしょう。
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