豪雪地域の雪国の方はもちろん、普段はそんなに降らないけれど一度でも大雪を経験した地域の方へ質問です。
今まで雪に強い屋根材について意識をして考えた事はありますか?
新築の場合にはもちろん、リフォームの場合にも降雪量の多い地域の方は雪に強い屋根材にしておく事によって降雪量が多い場合でも安心の出来る屋根にしてみませんか?
今回は雪に強い屋根材についてお伝えしていきます。
目次
1.雪に強い屋根の条件とは?
雪に強い屋根の条件として最も重要な条件は、吸水率が低く雨漏りになりづらい構造である事です。
吸水性が高かったり、雨水が入り込みやすい構造だと屋根の内側に入り込んだ雨水が凍結して、屋根材自体を痛めてしまうからです。
その点、金属屋根、特にガルバリウム鋼板は、密閉性が高く水が入り込みにくい構造になっている為、豪雪地帯では得に好んで使用されています。
2.北海道や東北などでは金属屋根の家が約70%を占めています。
北海道や東北の特に積雪が多い地域などでは、瓦屋根は少なく金属屋根が約70%を占めていると言われています。
瓦屋根の少ない理由としては、豪雪で瓦自体がズレてしまう恐れがあり、その為雨漏りが発生したり、瓦内部に入り込んだ水が凍結し、瓦が割れる原因になる恐れがある為、瓦屋根は敬遠されている様です。
更に北海道や東北の豪雪地域では、落雪による事故の防止の為や雪下ろしが不要になる様にと作られた、無落雪屋根が主流となっています。
この無落雪屋根の屋根材も板金である為、これも瓦屋根が少ない理由の1つと言えるでしょう。
2-1.金属屋根の特長
金属屋根を彩色石綿板屋根と比べると、次の3つのメリットが挙げられます。
雪に強い。
屋根に積もった雪は住んでいる人の熱で解けますが、建物から出た庇には雪が残り解けた部分と残っている部分に段が出来てその部分に水が溜まります。
瓦葺きの場合、溜まった水が中に染み込んでしまい、雨漏りになる恐れがあります。
彩色石綿板も瓦と似た様なもので、重ね葺きである為に水の遮断が効かない隙間から侵入してくる可能性があります。
一方、金属の場合は組み合わせてほぼ密閉される為、水が入り込みにくくなっています。
その為、雪の降る北海道や東北は金属屋根が多いのです。
地震に強い。
屋根が重いと建物の重心が高くなり、揺れた際に水平力や降り幅が大きくなる為、結果として建物の倒壊を引き起こす可能性が高まります。
重量で言えば、瓦屋根の家は自動車約7台分、彩色石綿板でも自動車1.5台~2台分が乗っている計算になり、地震の際のリスクが高まります。
金属屋根の場合の重量は、自動車1台分です。
これがどれ程のメリットかと言うと例えば屋根を瓦から金属に変えた場合、柱を2割太くした事と同じ効果があるとも言われる程です。
環境に優しい。
現在は改良されて、ゼロアスベストの彩色石綿板になっていますが、10年前の彩色石綿板製の屋根材は、その大部分にアスベストが含まれていました。
屋根のリフォームは、古い屋根の上に金属を被せるカバー工法もありますが、屋根を剥がした場合は、防塵対策の費用や既存屋根の処分費用など、解体工事に莫大な費用が掛かってしまいます。
瓦は土からこねて作りますが、壊すと元の瓦には戻りません。
一方、鉄は溶かした後、再び鉄に戻る事が出来る為、リサイクルの優等生と言われています。
更に金属屋根は環境汚染物質が一切含まれていないので、環境に優しくエコロジーです。
3.日本海沿岸では石州瓦がよく使用されています。
北海道や一部の東北地域の次に積雪の多い日本海側である北陸地方では金属屋根ではなく、石州瓦の屋根が多く見られます。
石州瓦の特徴は鉄分の少ない良質な白陶土と、出雲の来待石から取れる釉薬を使う事で作り出された柿色の瓦です。
その色から赤瓦とも呼ばれますが、三州の塩焼きの赤瓦とは全く別物です。
産地である島根県が近い為、普及が進んだという一面も考えられますが、大きな要因としては、石州瓦が塩害や凍害に強い事ではないでしょうか。
北海道では瓦は積雪に弱いというイメージが定着している様ですが、瓦の中でも釉薬瓦(陶器瓦)という瓦は釉薬でコーティングされている事により、吸水性が低く非常に凍害に強いとされています。
中でも石州瓦は焼き上げる温度が高温の為、瓦の水分が少なくなるので寒さに強いのです。
又、塩害に強い事も特徴です。
特に日本海沿岸は冬季の季節風が強く海水がミスト状になって吹き付ける為、錆が出来やすい環境になるので、この様な地域で塩害に強い石州瓦は大活躍します。
その反対に錆に弱いのが金属屋根です。
金属屋根の中でもガルバリウム鋼板は防錆性が高いとされていますが、やはり金属である性質上、瓦よりは錆びやすいと言えます。
この違いが同じ寒冷地でも日本海沿岸では金属屋根が普及していない理由と言えるのではないでしょうか。
まとめ
寒冷地に向いている屋根材は大きく分けてこの2種類です。
- 金属屋根(特にガルバリウム鋼板)
- 瓦屋根(特に石州瓦を始めとした凍害に強い種類)
どちらも寒さに特化した素材なのですが、その土地柄に合った素材を選ばなければ素材本来の持ち味は生かされません。
例えば、金属屋根が普及した地域では瓦業者が少なく瓦屋根にしたところでメンテナンス時に困る事になるかも知れません。
逆に日本海沿岸地域で金属屋根を選ぶと錆つきに悩まされる事になるかも知れません。
まずはあなたの家にはどの様な屋根材が適しているのかを業者の方に相談してみると良いでしょう。
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