庇(ひさし)を後付けで設置したいけど、何から手をつけて良いのか分からない。DIYで設置できるものなの?それとも業者に修理を依頼した方が良いの?そう疑問に感じて「庇」について調べていませんか?
庇は「後付け」でも設置できますが、外壁に穴を開けてビス(ねじ)で固定するタイプがほとんどで、安易に取り付けてしまうと「建物の保証が無くなる」「雨漏りの原因になった」などの不具合の原因にもなります。
この記事では庇の役割と後付けで庇を設置する際の注意点について解説します。
住宅における庇の役割を踏まえて、庇を後付けで設置する際に効果的な代替え案について解説します。
目次
1.庇(ひさし)の取り付け方法と種類
庇の取り付け方法には、「新築時に取り付ける方法」と「後付けで取り付ける方法」の2つのパターンがあります。
庇は「後付け」で設置するよりも「新築時」に取り付けた方が、建物を傷つけないために雨漏りのリスクを発生させることなく設置することができます。しかし、庇は建築面積として計算されるために新築住宅ではほとんど取り付けられていないのが現状です。
もし、新築住宅で庇の設置を検討している方は、設計段階から庇を設置するようにしましょう。
一方で、後付けで庇の設置を検討している方は、壁に穴を開けない独立型の庇を選ぶようにしましょう。
この前提を踏まえた上で、庇の基礎知識について見ていきましょう。
1-1.庇(ひさし)とは?
家の窓や出入り口など、開口部となる部分の上に取り付けられる小型の屋根を指します。同じ屋根でも建物の壁から屋根が突き出ている部分を「軒」といい、それ以外の小さな突き出しを「庇」と呼びます。
1-2.庇(ひさし)の種類
庇の種類には「陸庇(ろくひさし)」と「腕木(うできひさし)」の2種類があります。市販されているほとんどが、「陸庇(ろくひさし)」に分類されます。
それぞれ、特徴が異なるので具体的に解説します。
1-1-1.陸庇(ろくひさし・ろくびさし)
主にモルタル壁やサイディング貼りの外壁に取り付けられる。上辺の勾配はゆるく、下部が水平になっているのが特徴。ハネ出し・片持ちとも呼ばれています。
1-1-1.腕木庇(うでぎひさし)
日本の伝統工法や、純和風建築でよく見られる庇です。柱にほぞ穴をつくり、ほぞを差し込んで付けられた腕木に小さな桁(出し桁)を掛け、それを支えに屋根材を傾斜をつけて張る庇です。
1-3.庇(ひさし)の素材
現在、流通している庇は「アルミ」と「ポリカ」製の製品が一般的です。特徴を見て行きましょう
1-3-1.アルミ庇(ひさし)
軽量で、錆びない素材のために庇の素材として最も普及しています。また、耐久性や消音性にも優れています。
1-3-2.ポリカ庇(ひさし)
カーポートなどによく用いられる素材です。軽量で、加工が簡単なのが特徴です。
1-3-3.木製庇(ひさし)
ヒバ材など、昔ながらの和風建築工法は木製が多いです。
1-3-4.ガルバリウム鋼板庇(ひさし)
キズが付きにくく、磨耗に強い特徴を持っています。
1-3-5.ガラス庇(ひさし)
耐風性・耐水性・施工性が良い。見栄えもするのでデザイン性の高い建物で好まれます。
2.庇(ひさし)の役割と効果
最近の新築住宅では、建築面積の関係から庇のない住宅が増えました。しかし、庇があることで住宅を紫外線や雨から守る重要な役割があります。
具体的な庇の役割と効果について解説します。
2-1.日光を防ぐ
直接日光が部屋の中に入るのを遮る働きをします。遮るだけでなく、日射量を調整する意味の役割もあり、夏が日を遮り、冬は日を呼び込むといった四季のある日本に対応した角度が計算されているものもあります。
2-2.雨を防ぐ
特に玄関など、人の出入りがある場所には、雨を防ぐ庇があると、とても生活しやすくなります。また、窓の上の庇は雨の室内侵入防ぎ、小雨であれば窓を開けることも可能にします。
2-3.雨音を防ぐ
台風や大雨の時など、庇がない窓や玄関には直接雨が降り注ぎます。特に風を伴った雨の場合、その雨音は安眠を妨害するほどの騒音になってしまうこともあります。隣家との騒音トラブルになってしまう可能性もあります。近年では窓上部にシャッター式の雨戸を収納するボックスに当たる雨音の騒音も相談が寄せられています。
2-4.汚れを防ぐ
街中のビルなどで、庇のない窓のサッシの角から、下に伸びるライン上の黒い汚れを目にしたことがあると思います。これはサッシに溜まった汚れが、雨によって流れ出した時の汚れ跡です。
3.庇(ひさし)の設置費用の目安
庇(ひさし)の素材 | 費用目安 |
---|---|
アルミ | 15,400円〜 |
ポリカ | 63,000円〜 |
木製庇 | 54,300円〜 |
ガルバリウム鋼板 | 8,900円〜 |
ガラス | 189,700円〜 |
4.庇(ひさし)を設置する際の注意点
最後に庇を設置する際の注意点について解説します。
4-1.DIYでは庇を設置しない
DIYで庇を設置するのは絶対に避けましょう。施工不良による雨漏りの原因となるだけではなく、落下をして怪我などに発展する恐れがあるからです。
DIYでも設置できる商品もありますが、庇を設置する際は必ず取り付け業者などの専門の業者に庇を設置してもらいましょう。
4-2.庇は夏場を基準に取り付ける
庇の寸法を決定する際は、夏場の日射角度を基準にしましょう。庇には日当たりを調整するという役割がありますが、夏場の強い日差しを遮り、冬場の光を取りこむようにすることで、「夏は涼しく、冬は暖かい」住環境を確立することができます。
まとめ
いかがでしたか?庇についてご理解いただけたかと思います。
庇は後付けで設置をすると雨漏りの原因になるので注意が必要です。
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