工場や倉庫など屋根の面積が大きくなればなるほど、屋根修理の工法によって大きな差が生まれます。
ここで言う差とは、メンテナンスコストや室内の住環境のことです。
そこで、この記事では工場や倉庫などの屋根の面積が大きな施設の屋根メンテナンスの方法をお伝えすると同時に、大規模施設における費用対効果の高いメンテナンス方法についてお伝えします。
もし、あなたが「屋根の塗り替えを検討している」、「将来的な屋根のメンテナンスコストを削減したい」と思っていらっしゃるのであれば引き続きこの先をお読みください。
目次
1.工場・倉庫で採用されている屋根
戸建住宅の屋根の場合、瓦やスレート、ガルバリウム鋼板など、様々な外壁材が使用されていますが、工場や倉庫といった大型施設の場合、屋根材として使用されている建材は金属屋根かスレート屋根の2種類しかありません。
そもそも、工場や倉庫などはもともと人が居住することを目的とされていない為に、機能性を重視し設計されています。
その中で、現在主流となっているのが、折半屋根(せっぱんやね)と呼ばれるものです。
1-1.折半屋根(せっぱんやね)
折半屋根とは1枚の金属をジグザグに折りたたんだようなシンプルな構造での屋根です。
紙を何重にも折ると強度が増すように、折半屋根は金属の屋根材を折りまげることで、強度を高めているのが特長です。
しかし、強度が高い一方で、金属製の為に錆びやすく、その形状から排水機能が低く、防錆対策、防水対策が必要となります。
1-2.波型スレート
波型スレートとは、小規模な工場や製造業の生産工場などで広く普及し、これまで工場や生産工場などで主流とされてきた屋根形状です。
しかし、古い波型スレートの屋根材にはアスベストが含有されおり、アスベストが社会問題に発展したことから、現在では前述した折半屋根が主流となっています。
現在ではノンアスベストの製品も販売され、安価かつ施工がしやすい為に、工場の新築や建て替えの際にも幅広く採用されている屋根材です。
また、波型スレートの特長として、遮音性に優れているという点があります。
もともと、波型スレートは鍛造工場やプレス工場など、どうしても騒音が発生してしまう製造業に積極的に採用されてきました。
波型スレートの素材そのものが音の振動を遮断する役割があり、一般騒音とされる250~1000ヘルツの音による悩みはありません。
2.工場における最も多い屋根修理内容は雨漏り
工場や倉庫など大型施設の屋根の修理内容で最も多いのが雨漏りです。
特に工場や倉庫には屋根裏が無く、天井がそのまま屋根となっている工場が一般的です。
その中で、一旦雨漏りが発生してしまうと、高額な生産設備を水で濡らしてしまったりや生産ラインを遅らせるきっかけとなってしまいます。
2-1.工場・倉庫などの大型施設における雨漏りの原因
折半屋根、波型スレート同様、大規模施設の屋根は一般住宅の屋根と比べて、雨漏りが発生しやすいのが特長です。
その雨漏りの原因として、
- 屋根材をつないでいるボルトが錆びてしまっている
- 台風や雪などの外的圧力で屋根材が変形して隙間があく
- 錆びなどの影響で屋根材が痛み、穴が空いている
これらの要因が挙げられます。
一般的に雨漏りがする原因の多くが、施工不良、材料の劣化、設計ミスなどが挙げられますが、工場や倉庫といった大規模施設の雨漏りで最も多い雨漏りの原因が、経年劣化による雨漏りです。
塗装が剥がれて、金属がむき出しになっていたり、屋根材と屋根材をつなぐ、ボルトが錆びていたり、雨漏りが発生する原因ほとんどが、経年劣化によります。
経年劣化によりますが、大規模工場の場合一般住宅とは勝手が違い、屋根が広い分、補修費用が高額になってしまいます。
また、生産効率の低下や生産設備を壊してしまう原因にもなるので、雨漏りが発生する前に、劣化箇所を確認し、修理しておくことが重要です。
2-2.工場・倉庫などの大型施設における雨漏りの応急処置
工場や倉庫などの大型施設の屋根の場合、雨漏りに発展する前にメンテナンスを行うことが重要とお伝えさせていただきましたが、実際に雨漏りが発生してしまった場合はどのような応急処置をすればいいのでしょうか。
工場や倉庫などの大規模施設における雨漏りの応急処置としては下記の通りです。
- 雨漏りをしている箇所を防水テープで塞ぐ
- コーキングで雨漏りしている箇所を塞ぐ
- ビニールシートを被せて雨漏り箇所を塞ぐ
以上が雨漏りの応急処置としてあげられますが、どれも一時的なものに過ぎず屋根の専門業者にしっかりとした修理を行ってもらう必要があります。
3.工場・倉庫の屋根修理の方法
工場や倉庫といった大型施設の屋根であっても、工事方法や工法は一般的な住宅と同じです。
同じですが、その規模が違うことから費用面、工期面において慎重に検討する必要があります。
また、後述しますが、葺き替え工事の場合、一時的に工場に屋根がない開かれた状態になります。
その為に、生産ラインや生産効率に大きく影響を及ぼす為に、慎重に検討することが重要です。
それでは、具体的に工場・倉庫における屋根工事の工法についてみていきtましょう。
3-1.カバー工法
カバー工法は一般住宅の屋根リフォームでも利用される工法でもうすでにご存知の方もいらっしゃると思います。
思いますが、工場のカバー工法も住宅のカバー工法同様に既存の屋根材の上に、新しい屋根材を被せる工法です。
屋根全面を張り替える葺き替え工事と比べ、既存の屋根を撤去する必要がない為に、安価かつ工期も短いのが特長です。
3-2.屋根塗装
一般的な住宅の場合、10年を目安に外壁塗装を行う必要があります。
工場や倉庫といった大型施設の場合も外壁塗装を行うことで、屋根材の保存性を高めることができます。
また、外壁塗装で使用される塗料には遮熱塗料と呼ばれる塗料があり、その塗料を使用することで室内環境を一定に保ち、冷暖房費などの節減にもつながります。
単純に屋根を新しくするのでは無く、屋根に新しい機能を追加できるとして、遮熱塗料を採用する工場も多いです。
3-3.葺き替え工事
葺き替え工事とはその名の通り、既存の屋根を撤去して、新しい屋根に葺き替えることを指します。
しかし、葺き替え工事を行っている期間中、一時的に工場の屋根が空になってしまうことから、生産施設などではあまり採用されることはありません。
屋根塗装やカバー工法による屋根リフォームが一般的です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
工場や倉庫といった大規模施設も一般的な住宅同様に、劣化症状によって施工方法も変わります。
また、施工面積も大きいことから、依頼する業者の施工単価によってもばらつきがあるのは事実です。
だからこそ、複数の業者を比較して、施工方法や価格帯を含めて様々な角度から専門業者から提案をうけることが重要です。
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