【棟】…[むね]。建築物において複数の屋根が交差して稜線を成す部分。
今回は屋根の織りなす棟の種類や、棟にまつわる基礎知識についてまとめました。これから新築を考えている方は、ぜひ参考になさってくださいね。
目次
1. 棟とは
棟とは、屋根が交差して山型に稜線になったその部分を指します。
屋根の交差の形により、棟の種類や、屋根の形の呼び名が決まっています。
また、家全体を数える単位として、「棟(とう)」として使われることもあります。よくマンションなどで1棟、2棟と呼びますよね。今回はこちらの棟(とう)ではなく、屋根の棟(むね)についてお伝えします。
2. 棟の役割
棟は、屋根同士の交差点、屋根の分水嶺となるとなるので、雨仕舞にかかわる重要な部分です。屋根の一番高い位置にある「大棟」の部材を「棟木(むなぎ・むなき)」と呼びます。
3. 棟の種類
3-1. 大棟(おおむね)
切妻屋根、寄せ棟、入母屋などの屋根の「最上部」にある水平な棟。「陸棟」とも。
3-2. 隅棟(すみむね)
寄棟造等で平屋根と妻屋根とが交わる稜線。上から見ると、大棟から四隅の軒先に向かって斜めに流れる棟のこと。
3-3. 降棟(くだりむね)
切妻造等で大棟から屋根の流れに沿って軒先に向かって下るものを降棟と呼びます。
3-4. 稚児棟(ちごむね)
瓦葺きの屋根の場合の、隅棟の先が二段になっているときの、下方の短い棟を指します。
4. 棟に見る屋根の形
4-1. 切妻屋根(きりつまやね)
本を開いたような形の屋根で、四角い屋根2面からなる屋根。「隅棟」がなく、「大棟」のみ
4-2. 方形屋根(ほうぎょうやね)
いわゆるピラミッド型の屋根で、1つの頂点に向かって4枚の三角形の屋根が集まった形の屋根。
「大棟」はなく、「隅棟」が1点に集まります。
4-3. 寄棟屋根(よせむねやね)
「大棟」の両端に四つの「隅棟」がある形状で、二枚の三角形の屋根と二枚の台形の屋根からなる屋根の形。
4-4. 入母屋屋根(いりもややね)
上部は切妻造り、下部は寄棟造りの構造の屋根。「大棟」の切妻屋根のケラバの中腹から、屋根の四隅の軒先に向かって「下棟」が流れる屋根の形です。
4-5. 片流れ屋根
流れが一方だけの屋根。一面からなる屋根なので、棟はありません。
5. 瓦葺の棟
瓦葺きの屋根の場合、棟は棟瓦(むながわら、むねがわら)で葺かれます。
また、棟の端部には鬼瓦とよばれる意匠の凝った特別な瓦がつけられ、屋根のデザインのアクセントにもなっています。
また、寺院建築では鴟尾(しび)と呼ばれる、角のような形の飾りが、城郭建築では名古屋城で有名な鯱鉾(しゃちほこ)が配されています。
6. 棟の破損
棟は、屋根の接合部分になりますので、風の被害をとても受けやすい場所です。特に築年数が多い家ほど、知らないうちに棟に強風の影響による劣化が現れやすくなります。
主な被害は、棟をまとめる棟板金と釘の浮きや、瓦屋根の場合は漆喰の崩れなどが挙げられます。そのまま放置すると、雨漏りなどの被害につながってしまうので、早めの処置を行いましょう。
「建前(たてまえ)」をご存知ですか?最近ではあまり見かけなくなってしまいましたが、日本では古くから新築の際に行われてきた祭祀です。小さな頃に参加した覚えのある方も多いのではないでしょうか。
この建前は、別名「棟上げ」「上棟式(じょうとうしき)」とも呼び、「棟木」を取り付ける日に行われます。棟木を取り付けるということは、建物の骨組みを組み終わるということなので、棟梁が四方を清め、工事の無事完了を祈りって執り行われます。大工さんへの感謝の意も込められています。棟がいかに大切な場所なのかよくわかる行事ですね。
まとめ
いかがでしたか?なかなか見る機会がない棟なので、その劣化状況なと、把握してない方がほとんどかと思います。ご自分で確認するにも、なかなか難しいので、そんな時はプロに頼むのが一番です。
もし新築、もしくは塗り替えから10年程度経っていたら、ぜひ塗り替えの相談と一緒に屋根のチェックもしてもらうと良いでしょう。
屋根のプロなので、屋根の状態や適切な修理を提案してくれますよ。足場代も一度で済むので、同時に行うのが理想的です。
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棟の劣化が気になったら、ぜひイーヤネットまでお気軽にご相談ください!
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