瓦残は見えるところで使われていないため屋根の知識が無い限りその存在すら知られることはないでしょう。
瓦葺きの1工程に過ぎませんが、知っていれば手抜き工事が見抜ける手助けになると思います。
そんな瓦桟についてご説明します。
1.瓦桟とは
瓦桟(かわらざん)とは、(さんぎ)とも言い、引掛桟葺き工法で瓦を引っ掛けてビスで留めるところになります。
通常は横一直線に横桟木を取り付けるだけですが、風の影響を受けやすい地域などは瓦をより固定させるために縦桟木も取り付けます。
2.瓦桟の施工方法
屋根の下地の上に瓦から漏れてきた雨水を家に侵入させないようにルーフィング(防水シート)を敷きます。その上に瓦桟を設置します。
瓦桟は横の直線になるため、流れてきた雨水を止めて溜めてしまうことがあります。
そうすると、木製の瓦桟や下地の野地板に水が染みこんでしまい腐食の原因となってしまいます。
そこで、きずりを付けたり瓦桟に水を通すための穴(ウォーターホール)を付けたりして雨水対策を施します。
横桟木の下にテープや流し桟という木材を縦に敷いていくことです。こうすることで横桟木が少し浮き、そこから排水できるようになります。縦桟木とは別の目的で設置します。
2-1.手抜き工事されないために
ルーフィングを貼ってあるからと、きずりもウォーターホールも施さない業者がいます。
確かに万が一雨水が染みこんだ時のための策がルーフィングなので、それ以上対策をする必要は無いと説明されれば、納得せざるを得ないでしょう。
しかし、雨水の怖さを一番理解しているのは屋根の専門業者です。
雨漏れ対策を二重三重としてくれる業者とそうでない業者、どちらを選べば良いのか答えは簡単です。
手抜き工事業者の言い分を認めないためにも瓦桟の構造を知っておくと良いと思います。
3.瓦桟の種類
3-1.木材
腐食に強い杉を使うことが多いです。とはいえ、年数と共に腐食していきます。
3-2.樹脂系
木材の弱点である腐食に強く、木材のような反りや筋がない一定の品質を可能にしたものになります。
各メーカーから様々な種類が出ています。木材の瓦桟同様、水抜き穴が施されています。
まとめ
瓦桟は屋根が完成した後では見ることはできません。
可能であれば工事中の写真などを見せてもらう事でより瓦屋根の知識が深まると思います。
屋根工事を失敗させないためにも瓦桟の知識をお役立てください。
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