シーリング材は、住宅の壁や屋根、またはベランダなど多くの箇所に用いられる材料になります。
このシーリング材について、なんとなくわかるという方がほとんどだと思いますが、住宅のリフォーム時など、使用される頻度が比較的多い材料ですので、基本の知識を身に着けておけば、いざリフォームをする・お家を建築するといった時にとても役に立つ知識になると思います。
今回、この記事では“シーリング材”について詳しくご紹介したいと思います。
目次
1.シーリング材とは
シーリング材とは、住宅などの建物の防水性や気密性を高めるために、継ぎ目(目地)や隙間(外壁や窓枠等)に、埋め込む材料のことをいいます。
シーリング材は、雨漏りなどの処置にも使用されます。
例えば、ベランダなどの一部分のみが傷んでいたとしましょう。傷みの範囲がそこまで広くなく、または軽度の傷みの場合は、このシーリング材で雨漏りを止めることが出来ます。このような工事は部分工事となりますので、住宅全体の防水工事をする必要はありません。
1-1.目地に埋め込む
住宅の外壁をよく見てみますと、壁がいくつかに分割されていて、縦と横にラインが出来ているのですが、このラインを通常“目地”と呼んでいます。
目地は外壁だけでなく、屋上や内部の壁など様々な箇所に設けられています。
目地は、建物の変形によって出来る“ひび割れの防止”という目的で、意図的に作られています。
そして、この目地にシーリング材を詰め合わせることによって、温度変化によって起こる部材の膨張・縮小、位置ズレ、などの症状を補うため、気密性や防水性に優れているシーリング材を用いるのです。
2.コーキング材とシーリング材の違い
厳密にシーリング材とコーキング材は異なるものですが、現在ではほぼ同じ意味で認知されているのであまり気に留めることはないでしょう。とは言っても、簡単に違いをご紹介したいと思います。
【シーリング材】
構造体の目地・隙部分に充填し防水性・気密性を高める材料
【コーキング材】
展色材(天然油脂・合成油脂・アルキド樹脂等)と鉱物質充填剤(石綿・炭酸カルシウムなど)を混合して製造したペースト状のシーリング材。
≪“シーリング”のうち、ペースト状のものを“コーキング”と規定されている≫
【結論】
“コーキング”は主に建築現場で使用される目地材を充填する作業
“シーリング”は“コーキング”を含む防水、気密を目的とした作業全般
最近の現場では、コーキングとシーリングは同類語として使われることが多く、コーキングかシーリングかは厳密に決まっていないと言えます。
3.シーリング材の種類
3-1.成分型の違い
シーリングには、1成分型と2成分型の二つに分けられています。
【1成分型】
- 湿気硬化型:空気中の水分と反応して表面から硬化する
- 酸素硬化型:空気中の酸素と反応し硬化する
- 乾燥硬化型:乾燥することによって硬化する
1成分型の特徴は、そのまま充填出来るので、手軽に使用できることから使用頻度が主流となっています。また、その中でも主に湿気硬化型の使用が多いです。
【2成分型】
- 基剤と硬化剤が反応して硬化する混合反応硬化形
つまり、シーリングを固める硬化剤を別途で使用する業者向けのシーリング剤です。1成分型とは違い、使用にとても手間がかかるため、最近の業者でも1成分型を取り入れているところが多いです。
4.シーリング材を使用するにあたっての注意点
シーリング材の施工性、硬化速度等は温度や湿度に影響されやすい性質を持っています。また、降雨・多湿等で結露の恐れがある場合などは施工を中止にしなければならないなど、使用するには十分な注意が必要です。
4-1.シーリング材の選び方
シーリング材を選ぶにあたって、一番重要なのは“用途に合わせた材料”を使うことがとても大切です。
用途が間違っている材料を使ってしまうと、最初のうちはいいですが、時間が経つにつれて不具合が生じてしまうのはもちろん、劣化も早まってしまいます。
中には用途別にシーリング材を使い分けずに施工してしまう業者もいますので気を付けましょう。
4-2.よく見られるトラブル
塗装工事では、シーリング周りのトラブルが多いですので、慎重に進めて行きたいところです。工事完了後、一年も経たないうちにシーリングの上だけ黒くなることもあります。
これは、シーリングをいつまでも柔らかくするために配合されている材料が、シーリングの上に塗装した塗料などで溶け出し、ベタつきが続いてしまい、ほこりやゴミなどが付着してしまうためです。また、シーリングが硬化した後に専用のにじみを止めるプライマーを塗布することで防ぐことが出来ます。
5.シーリング材を施すならDIY?
お家をリフォームするにあたり、シーリングの必要性は自然と高くなります。
屋根の防水工事や外壁の塗り替えと違って、シーリング作業を単体で見ていると一見簡単そうに見えてしまうのは否定できません。確かにホームセンターなどでもシーリング材を手に入れるのはとても簡単で、一般の方にも手が届きやすいかと思います。
しかし、どの程度を行うか、どの部分に施すのかで作業方法はかなり違って行きます。シーリング部分はただでさえ短命な部分なので、いい加減に済ませてしまうと、後悔することになるでしょう。
ご自分で施工することに100%反対はしませんが、賛成も出来ないのが正直な感想です。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
リフォームをするにあたって大切なのは、ご自身のお家の現状を把握していること、少なからず最低限な知識を得ていること、そして中でも1番大切なのは、施工する業者を選び抜くことだと思います。
どんなに良い材料を使用しても、どんなに良い塗料を使用しても、その適正に合った工法を取り入れなければ意味がありません。
そして、現在戸建て住宅にお住まいの方、またこれからリフォームをお考えの方は、この記事を読んで得た最低限の知識を、ご自身の大切な住宅に役立てば幸いです。
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