突然、訪問してきたリフォーム会社の営業マンに屋根の劣化を指摘されて、屋根塗装を検討するようになった。そのような方も多いと思います。
思いますが、屋根塗装は塗装専門店に工事を依頼することで、確実かつ適正価格による工事を実現することができます。
そこで、この記事では屋根塗装の基礎知識を始め、費用相場や適正業者の選び方について詳しく解説してまいります。
目次
1. 屋根塗装の必要性
まず、屋根塗装を行う前にあなたが屋根塗装の必要性を理解しておく必要があります。なぜなら、業者の言いなりで屋根塗装を決断して失敗してしまう人が多いからです。
「なぜ、屋根塗装を行う必要があるのか?」、「屋根塗装と葺き替えはどちらが適切なのか?」このような、屋根塗装の本来の目的を無視したまま、業者の言いなりで屋根塗装を決断してしまうことで、施工不良や業者トラブルに発展してしまうケースが極めて多いのが屋根塗装の特徴です。
なので、屋根塗装を具体的に始める前に「屋根塗装を行う目的はなにか?」ということを具体的にあなたが理解しておく必要があるのです。
まず、屋根塗装を行う動機は施主によって様々あると思いますが、屋根塗装を行う目的はたった一つです。それは、「建物の内部に水を侵入させない」ということです。
塗装の防水機能が低下した屋根はスポンジのように水を吸収します。その結果、屋根本来の防水機能が低下して、屋根材がひび割れを起こすようになります。
そして、ひび割れを起こした箇所から水が侵入して雨漏りの原因となったり、住宅の内部構造を劣化させてしまいます。
このように「建物の内部に水を侵入させない」その為の予防として屋根塗装によるメンテナンスが必要となります。
2. 塗装ができない屋根材とは
屋根塗装の必要性についてはご理解いただけたでしょうか?
屋根メンテナンスなら”塗装”と漠然と思っていらっしゃる方も多いと思いますが、屋根材や劣化症状によっては塗装ができない場合があります。
例えば、瓦屋根は屋根材として対応年数が長い為に、屋根塗装によるメンテナンスが必要ありません。また、屋根塗装が必要なスレート瓦であってもニチハのパミールなどは塗装をすることができません。
このように屋根の劣化症状や屋根材によって屋根塗装が最良のリフォーム方法でなかったりします。そればかりか、塗装をしてはいけない屋根に塗装をしてしまうことで、施工不良などにつながってしまいますので、施主自身が屋根の劣化状況や屋根材を正しく理解しておくことが大切です。
2-1. 屋根塗装ができる屋根
スレート・コロニアル屋根
トタン屋根(金属屋根)
セメント瓦
折半屋根
2-2. 屋根塗装できない屋根
日本瓦(釉薬瓦・いぶし瓦)
スレートパミール
ニチハの製造した屋根材パミール(製造期間1996年~2008年)は、屋根材表面の剥離や屋根材の脱落・ズレ等、リフォームをご検討中の方やリフォーム開始後に発覚するケースが増えております。
引用元 http://riverstone-roofing.com/basic/20150108_nichiha-pamiru/
3. 屋根の劣化症状と屋根塗装の時期
屋根塗装ができる外壁材、できない屋根材の種類はご理解いただけたと思います。ここからは、屋根の塗装の最適なタイミングについて詳しく解説して参ります。
一般的に屋根塗装は8年〜10年を目安に行うことを推奨されていますが、劣化症状をもとに屋根塗装のタイミングを見極めることで屋根塗装の費用対効果を最大限に引き上げることができます。
それでは、具体的に屋根の劣化症状と屋根塗装の適切なタイミングについて具体的に解説してまいります。
3-1. 屋根塗装の劣化症状
【劣化レベル1】色あせ
ツヤが無くなり、屋根材の色が薄くなるのは紫外線の影響で、塗膜の基本となる樹脂が表面から劣化して起こる現象です。
この段階ではまだ、屋根塗装の必要ありませんが塗膜の劣化が始まったサインとして認識しておくことが重要です。
【劣化レベル2】カビ・コケの発生
チョーキング現象を放置すると、塗装本来の防水機能が失われます。屋根の防水機能が失われることによって、屋根材が水分を吸収するようになります。
そうすると、カビやコケが発生します。
そのまま放置をすると、塗装が剥がれてしまい、葺き替える以外にメンテナンスの方法がなくなってしまいますので、できるだけ早急に塗装をすることが重要です。
【劣化レベル3】剥がれ・欠損
塗装が剥がれてしまった屋根材は塗装ができない場合があります。なぜなら、屋根材が塗装の下地として使用できなくなってしまうからです。
その状態で塗装をしても塗料本来の耐用年数が発揮できないばかりか、塗装が水ぶくれのように膨れてしまったり、3年も持たずに塗装が剥がれたりするので、屋根塗装ではなくカバー工法や葺き替え工事を検討する方が確実です。
3-2. 屋根塗装の最適なタイミングと注意点
結論から言うと、屋根塗装の最適なタイミングはチョーキング現象が発生してからで十分です。
塗装のツヤがなくただで「屋根塗装をしないと大変なことになる!」と大げさに言う業者も存在すると聞きますが、基本的に屋根塗装を行う一つの目安として、チョーキング現象の発生を目安にするのが好ましいでしょう。
4. 屋根塗装の塗料の種類と耐用年数
屋根塗装の適切なタイミングはチョーキング現象を一つの目安にすることをご理解いただけたでしょうか。
屋根塗装はチョーキング現象のタイミングで行うことで、塗料本来の耐用年数(寿命)を引き出すことができます。それでは、ここからは屋根塗装の塗料について詳しく解説いたします。
4-1. 屋根塗装の塗料の種類
塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 |
シリコン塗料 | 10年~13年 |
|
フッ素塗料 | 15~20年 |
|
遮熱塗料(ガイナ) | 15~20年 |
|
4-2. シリコン塗料の参考価格
見積もり内訳 | 25坪~29坪 | 30坪~34坪 | 35坪~39坪 | 40坪~44坪 | 45坪~50坪 |
足場・飛散防止ネット | ¥139,200 | ¥152,800 | ¥164800 | ¥176000 | ¥187200 |
高圧洗浄 | ¥11,200 | ¥13200 | ¥15400 | ¥17400 | ¥19400 |
下塗り | ¥44,800 | ¥52800 | ¥61600 | ¥69600 | ¥77600 |
上塗り(2回) | ¥89,600 | ¥105600 | ¥123200 | ¥139200 | ¥155200 |
縁切り | ¥25,200 | ¥29700 | ¥34650 | ¥39150 | ¥43650 |
合計 | ¥310,000 | ¥354100 | ¥399650 | ¥ 441350 | ¥483050 |
4-3. フッ素塗料の参考価格
見積もり内訳 | 25坪~29坪 | 30坪~34坪 | 35坪~39坪 | 40坪~44坪 | 45坪~50坪 |
足場・飛散防止ネット | ¥139200 | ¥152,800 | ¥164800 | ¥176000 | ¥187200 |
高圧洗浄 | ¥11,200 | ¥13200 | ¥15400 | ¥17400 | ¥19400 |
下塗り | ¥44,800 | ¥52800 | ¥61600 | ¥69600 | ¥77600 |
上塗り(2回) | ¥134400 | ¥158400 | ¥184800 | ¥208800 | ¥232800 |
縁切り | ¥25,200 | ¥29700 | ¥34650 | ¥39150 | ¥43650 |
合計 | ¥354800 | ¥406900 | ¥461250 | ¥510950 | ¥560650 |
4-4. ガイナ(遮熱断熱塗料)の参考価格
見積もり内訳 | 25坪~29坪 | 30坪~34坪 | 35坪~39坪 | 40坪~44坪 | 45坪~50坪 |
足場・飛散防止ネット | ¥139200 | ¥152,800 | ¥164800 | ¥176000 | ¥187200 |
高圧洗浄 | ¥11,200 | ¥13200 | ¥15400 | ¥17400 | ¥19400 |
下塗り | ¥44,800 | ¥52800 | ¥61600 | ¥69600 | ¥77600 |
上塗り(2回) | ¥168000 | ¥198000 | ¥231000 | ¥261000 | ¥291000 |
縁切り | ¥25,200 | ¥29700 | ¥34650 | ¥39150 | ¥43650 |
合計 | ¥388400 | 446500 | ¥507450 | ¥563150 | ¥618850 |
5. 足場の設置屋根塗装の施工工程
5-1. 足場の設置
屋根塗装のみの施工でも高圧洗浄を行う為に足場は必要となります。
そもそも、足場は職人の安全を守ると同時に、塗料や高圧洗浄の水などが近隣に悲惨することを防ぐ意味があります。
屋根塗装も高圧洗浄を行うことから基本的に足場を設置して作業をすることになります。
5-2. 高圧洗浄
高圧洗浄とは実際に屋根の塗装を始める前に、屋根にこびりついたカビやコケなどを洗い流す作業になります。
車の洗車をイメージしてもらえればわかりやすいと思いますが、車にワックスを塗る際に必ず先に洗車をしますよね?
屋根塗装もこれと同じように塗料を塗る前に屋根をキレイに洗い流します。
バイオ洗浄とは?
バイオ洗浄とは特殊な洗剤を使用した高圧洗浄になります。
まず、洗剤を壁に散布し、それから高圧洗浄を行うことで、屋根にこびりついていたカビやコケをいとも簡単に洗浄できる高圧洗浄です。
5-3. 下地補修・ケレン
高圧洗浄が完了したら、次に下地の補修を行います。長年メンテナンスをしていなかった屋根は紫外線や雨などの影響で、スレート材が割れていたり、欠けていたりするものです。
そのような、下地が劣化した状態で塗装をしても塗料が密着しないことから施工不良になったりします。
その為に、塗装をする前に、塗面の確認を含めて劣化した箇所を補修して塗装ができる状態にする工程が下地調整です。
5-4. 下塗り
下塗りとは、塗装面と上塗りで使用する塗料の吸着をよくする為に塗られる塗料です。塗装面と、塗料を吸着させる接着剤と思ってもらえればわかりやすと思います。
この下塗り塗料はシーラー・フィーラーと呼ばれ、もし見積もり項目にシーラー・フィーラーと記載があった場合は、「下塗りのことだな」と思ってもらえらば良いと思います。
5-5. 中塗り
下塗りが完了したらいよいよ、シリコンやフッ素などのお客様が指定したメイン塗料による塗装が始まります。基本的にメインの塗料は2回の重ね塗りが基本で、1回目の塗装を中塗りと呼びます。
この中塗りは、下塗りのシーラー、フィーラの塗膜と、上塗りの塗膜の中間に位置し、下塗りの凹凸をならし平らな塗面を形成する目的があります。
また上塗り塗料の吸い込みを防ぐ役割もあり、しっかりした塗膜を形成する上で、中塗り工程が重要になります。
5-6. 上塗り
中塗りが完了したらもう一度、塗料を重ねぬりして完成です。基本的に上塗りは薄塗りで行い、紫外線や塩分などから劣化を防いだり、色つやを良くする役割があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?屋根塗装についてイメージが湧きましたでしょうか?
屋根塗装は基本的に塗装職人が行う屋根リフォームです。その為に、屋根塗装の際は地域密着の塗装店に工事を依頼することで、品質的にも価格的にも有利な屋根塗装リフォームを実現することができます。
しかし、「屋根塗装はどこに頼んでも同じでしょ?」と思っている施主が多く、大手リフォーム会社やハウスメーカーに工事を依頼する人が多いのが現実です。
現実ですが、大手リフォーム会社に屋根塗装を依頼しても結局、現地の施工をするのは地域密着の塗装専門店です。だからこそ、屋根塗装の際は地域密着の塗装専門店に工事を依頼することで、中間マージンをカットした塗装工事を実現できるようになるのです。
あなたも同じ工事内容であれば適正価格でより優秀な施工をしてくれる業者に工事を依頼したいとは思いませんか?
屋根塗装は業者選びで品質の9割が決定されます。だからこそ、複数の業者を比較しながら慎重に施工業者を選定することが重要です。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。