石州瓦とは?瓦選びで後悔しないために知るべき8つの特徴と基礎知識

石州瓦

三州瓦、淡路瓦と並ぶ日本三大瓦の石州瓦。

日本瓦という言葉は聞いた事がある方も多いと思いますが、日本瓦の種類まで詳しくご存じの方は少ないでしょう。
現在、三州瓦に次ぎ、日本で2位の普及率です。
今回は瓦選びのために石州瓦をぜひ押さえておいて下さい。

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1.石州瓦の歴史

世界遺産の石見銀山がある地方の町並みは、赤瓦の屋根が並んでいてとても印象的です。
この赤瓦が石州瓦です。石州瓦は石見銀山がある島根県太田市、江津市、浜田市、益田市にまたがる地域で製造がされている瓦です。
江戸時代、この地域は石州と呼ばれていました。
石州瓦は江戸時代に石見藩の城、浜田城の天守閣に使われたことから始まったとされています。
当時はまだ赤瓦でなく、いぶし瓦だと考えられています。

石州瓦の特徴でもある赤瓦は釉薬瓦に分類されますが、来待(きまち)という釉薬によって赤色を出します。
来待は島根県の東部出雲地方で採掘される来待石から取れる物で、石州瓦には欠かせません。
そしてもう一つ欠かせない要素が、石見地方の良質な地層から採れる粘土です。

この二つが合わさった素地を1200℃以上の焼成温度で焼き上げます。
そうすることで、硬くて強い瓦ができあがるのです。

石州瓦は、石見焼きという瓶などを作っていた職人がこの技術を瓦作りに応用して誕生しました。
石見焼き職人は高温焼成をするために、巨大な登り窯を造り上げたのです。

古くから受け継がれている製法が石州瓦の品質と地位を揺るぎない物にしているのでしょう。

2.石州瓦の特徴

2-1.雨に強い

日本の平均年間降水量は1500~2000mmです。雨が多い地域ではさらに上がります。
このことから、屋根材に防水性能を求めるのは当たり前の事です。
風を伴う雨の場合、どの方向から水が浸入してくるか予想できません。
石州瓦は、風にあおられて下から上がってくる雨水にも水返しを高くるなどの対策をしています。
また、石州瓦は来待釉薬がガラス状のコーティングを作り出すため、雨水を流したり、酸性雨から守る働きがあります。

2-2.耐震性の向上

石州瓦は重量が重いため、そのまま使用すると耐震性を下げる結果になります。
その為、阪神淡路大震災後には瓦葺きの家が減少したと言われています。
そこで、ガイドライン工法というものが生まれました。
ガイドライン工法とは、地震の揺れに耐えられるように屋根を葺く施工方法です。
実際に阪神淡路大震災クラスの揺れを再現した実験では、瓦が1枚もずれることが無かったそうです。

2-3.風に強い

日本は台風の通り道になっています。屋根の耐風性は気になるところです。
石州瓦は、組み合わせ葺きという工法で瓦をがっちりと重ね合わせているので強風に耐えられるようになっています。

2-4.寒さに強い

「石州瓦は硬くて割れない。凍害に強い瓦」と評価されています。
瓦に水分が残ってしまうと、その水分が凍ってしまいヒビ・割れに繋がっていきます。
石州瓦は高温焼成で焼き上げるので、水分を残さず気功も小さくなるため、水分を溜めにくくするのです。

2-5.塩害に強い

海に囲まれている日本。塩は建物に影響を与えます。
塩が表面から内部に浸透していきボロボロになってから気づくというケースもあります。
石州瓦は、硬く吸水率が極めて低いため、塩害に強いといわれています。

2-6.変色に強い

石州瓦の釉薬のコーティング効果は酸やアルカリなどから守る機能があります。
酸は変色の原因となるため、石州瓦は変色に強いのです。
いつまでも美しい外観を留めることができます。

2-7.防火性が高い

高温焼成で焼き締められた瓦です。防火性はすでに証明されていると思います。

2-8.快適な空間造りができる

石州瓦は、断熱性が高いです。その為、夏は涼しく冬は暖かいが実現するのです。
遮断というのは、外気の温度を室内に影響させないという以外に、室内の温度も外に逃がさないという事です。

また、遮音性も高いため、音を通しにくく騒音問題に悩まされる事も少ないでしょう。

3.石州瓦の弱み

3-1.重量が重い

なんと言っても瓦と言えば重量がネックにあがることが多いですね。
やはり、屋根材の重みは建物自体に負担をかけてしまいます。
耐震の面から言っても重みが気になってしまいます。
ですが、最近は施工方法や、重量を軽減するなどの対策が取られています。

3-2.錆びが出る

三州瓦自体は腐食に強いのですが、瓦をとめる鉄釘が錆びてしまうことがあります。
昔の施工方法では釘が使われることは無かったのですが、近年、施工方法も進化してきていて釘打ちで瓦を留める場合があります。
釘が錆びてくると膨張して釘穴から瓦が割れてしまいます。

3-3.コストがかかる

石州瓦は耐久性が高いのですが、設置コストも高いです。
比較的メンテナンスをしなくて良いと言われていますが、初期投資が高くついてしまいます。

4.石州瓦の形状

和瓦(J形)
平形(F形)
S形瓦・洋風瓦
タイル形

5.まとめ

今回は、日本三大瓦の石州瓦についてまとめました。

日本三大瓦・三州瓦についてはこちらから
日本三大瓦・淡路瓦についてはこちらから

日本は古くから台風、地震が起きている国です。
石州瓦職人たちは、これらの災害から家を守るために工夫を凝らし努力をして瓦を造り上げました。
そして、現在もその匠の技は受け継がれ、素晴らしい品質の瓦を作り続けています。
石州瓦というと、「凍てに強くとにかく頑丈」といったようなキャッチフレーズにある通り、寒冷地方で多く見られますが、現在は沖縄などの暖かく塩害が起きやすい地域でも使われています。
全国各地で選ばれている石州瓦。近年はリサイクルに力を注いでいたり環境にも優しい屋根材です。
どんな形を選べば良いのか?本当に耐震対策は取れているのか?など気になる点は施工業者がプロの立場から提案してくれます。
瓦屋根の施工業者をお探しの方はぜひイーヤネットにご連絡ください。

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