洋瓦とは?スペイン瓦とフランス瓦を比較しながら分かりやすく解説

スペイン瓦

ヨーロッパの街並みにあるような屋根をお探しの方いますか?

そこで今回は、日本で人気のフランス瓦とスペイン瓦について調べてみました。

フランス瓦とスペイン瓦って日本で作っているの?
どこが違うの?
どんな特徴があるの?

などといった疑問にお答えします。

イーヤネット

1.洋瓦とは

ヨーロッパの町並みを思い浮かべてみると赤い屋根が連なっていませんか?
なぜ、ヨーロッパの屋根は赤いのでしょう。

その答えは、瓦の焼成方法にあるのです。
フランス瓦は「素焼き瓦」とも言われ、粘土で形成して乾燥させた瓦の素地を焼成して製造します。
焼成方法には2通りあって空気の流れを制限して酸素不足の状態で焼く方法を還元焼成と言い、この方法で焼かれた瓦は、しっかり焼きしまって硬く、吸水率も小さく、そして灰色になります。
もう一つの酸化焼成という方法は、空気を十分に供給して焼きます。
そうしてできた瓦は、吸水率が高く、赤い色になります。

酸化焼成の方が、還元焼成に比べると行程が少なく、コストがかかりません。
そのため、昔は酸化焼成で瓦を製造するのが一般的だったのです。
ヨーロッパのような歴史的に古い町並みは赤い瓦屋根が多いというわけです。

2.洋瓦のフランス瓦とは

フランス瓦とはその言葉の通り、フランスで製造されている瓦です。
では、日本でフランス瓦は作られていないのでしょうか?また、日本で製造された瓦はフランス瓦と呼ばないのでしょうか?

日本で初めてフランス型の瓦が作られたのは明治時代初期横浜で、政府が雇ったフランス人のアルフレッド・ジェラールによって製造されました。
当時の横浜は外国人居住区や商業施設などの洋風建築が並んでいました。
伝統的な日本の瓦は洋館にマッチしないことと、これからさらに西洋瓦の需要が伸びることを見越して製造工場を作ったのです。
その製造方法は門外不出でした。そこで、日本の職人は出来上がったフランス瓦を真似して製造しましたが、ジェラールが自分のブランド以外の瓦は偽物だと広告を出したため、日本人の作ったフランス瓦は普及しませんでした。
そのため、「フランス瓦」は「ジェラール瓦」とも言われます。

そして大正時代に入り、日本三大瓦産地の三州がフランス瓦を基にした洋瓦の製造に取りかかりました。
フランス人技師を招き、経営陣にもフランス人を加えた会社を設立し、市場に製品を出したのが大正9年と言われています。
ジェラールが製造したフランス瓦をもとに日本で製造されたフランス瓦風の瓦は「F形瓦」と表現されることが多いです。

つまり、日本で屋根材にフランス瓦をと使いたいとなると、フランスから輸入するか、フランス瓦取扱店で頼むことになり、日本で製造されたフランス風の瓦を使う場合は、和瓦のF形を選ぶということになります。

3.洋瓦のスペイン瓦とは

日本に始めてスペイン瓦が輸入されたのは大正時代です。
「スパニッシュ瓦」とも言われます。

日本でスペイン瓦は作られていないのでしょうか?また、日本で製造された瓦はスペイン瓦と呼ばないのでしょうか?
の問いの答えはフランス瓦と同じです。
やはり、スペイン瓦を基にした洋瓦の製造にいち早く取りかかったのは三州だと言われています。

スペイン産の瓦を「スペイン瓦」言い、日本で製造されたスペイン瓦風の瓦を「S形瓦」と表現されます。
こちらも同様に、日本で屋根材にスペイン瓦をと使いたいとなると、スペインから輸入するか、スペイン瓦取扱店で頼むことになり、日本で製造されたスペイン風の瓦を使う場合は、和瓦のS形を選ぶということになります。

スペイン瓦は竹を割ったような形の半丸の瓦をそのまま葺いたり、上下交互に重ね合わせて葺いたりします。
日本のS形瓦は、半丸の瓦をつなげたアルファベットの「S」のような形をしています。

4.洋瓦と和瓦の違い

フランス瓦とスペイン瓦は製造方法は同じです。当たり前のことですが、それぞれの国で採れた粘土を使用しています。
この粘土の違いや焼成温度などの違いからそれぞれの国の気候に適した屋根材になるのです。
見た目の違いとしては、フランス瓦が平板なのに対し、スペイン瓦は半丸になっています。
また、色味はフランス瓦は色が繊細でスペイン瓦は色使いがしかっりしています。
洋風和瓦のF形、S形はカラーバリエーションが豊かです。
また、フランス瓦、スペイン瓦ともヨーロッパの街並みにみるような赤色やオレンジ色以外にもカラーバリエーションが増えています。
したがって、どの国の瓦を選んでも、洋風、和風問わずにマッチする屋根が見つかるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、「フランス瓦」、「スペイン瓦」本来の意味に沿った説明をしました。
瓦の種類は施工業者によって表現方法が違うため混乱してしまうことがあります。
自分がフランスで作られた瓦を使いたいのか、フランス瓦風の和瓦を使いたいのか目的をしっかりと伝えることが重要です。
本国で製造された瓦を使いたい場合は輸入になります。

ただ、ヨーロッパで製造された瓦をそのまま日本で使うのは難しいと思います。
その国の気候に合わせて製造されているので、やはり日本の気候にあわせてアレンジした国産の洋風瓦を使用することをおすすめします。

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