屋根の雪下ろしの手順と安全に作業するために絶対に押えるべき注意点

雪下ろし_2

屋根の雪の重さによって住宅が倒壊してしまうのを避けるために、豪雪地帯では雪下ろしは必ず必要な作業になります。

しかし、屋根の雪下ろしは高所での作業になるために、転落の可能性がつきまとい毎年、事故が発生しているのが現状です。

この記事では安全に雪下ろしを行うための基礎知識について解説します。この記事を読むだけで、初心者の方も安全に雪下ろしを行えるようになるのでぜひ、参考にしてみてくださいね。

1.屋根の雪下ろしを行う前に確認すべき項目

1-1.屋根の雪下ろしの必要性

雪下ろしは毎年死亡事故の絶えない危険な作業です。

雪下ろしをする際は、雪による危険を感じた時にだけ行い、決して安易な気持ちで雪下ろしを行わないで下さい。

一般住宅では、雪荷重による変化(屋根やその他の部材の変形、襖や窓の開閉に支障がある等)が起きていない限り、雪下ろしを行う必要は無いのです。

1-2.雪下ろしに適した天候

気温が高い日(0℃以上)や日差しの強い日は屋根の底面が解けて大変滑りやすくなります。

その為、なるべく気温の低い時に作業を行いましょう。

又、風の強い日や吹雪の日はバランスを崩し、屋根から落下する危険が高まるので、決して作業を行わないで下さい。 

1-3.屋根の雪下ろしを行う前の準備

作業を行う上で、安全を確保する装備は用意出来ていますか?

雪を落とす場所に、壊れそうな物が置いてあったり、人が立ち入る恐れはありませんか?

少しでも作業を安全に行う自信の無い方は、自分で行う事はせず、業者に作業依頼をしてくださいね。

1-4.雪下ろしを手伝う人の存在

ハシゴを支えたり、あなたが万が一の時にすぐに助けてくれる方はいますか?

雪下ろしは危険を伴う作業です。

万が一の事を考え、決して1人では行わず、家族や近隣住民の方に援助を依頼しましょう。

2.屋根の雪下ろしの注意点

2-1.滑落・転落は最大限の注意

北海道の住宅や車庫で使用されている屋根材(金属板)は雪を落としやすくする為、表面を滑らかに仕上げてありとても滑りやすい材料です。

特に屋根の表面が濡れた状態では滑りやすくなります。

この為、屋根の上に雪を少し残すなどの工夫をして、金属板の上を直接歩かない様にしましょう。

又、気温の高い日は雪が滑りやすくなりますので、雪が安定しているかを確認した上で作業を始めてください。

2-2.雪の状態と特徴を理解する

平らな無落雪屋根で断熱性能が高い場合は、屋根の雪は地上の雪とほぼ同じ状態で、積もる量も多くなり、雪庇などが出来やすくなります。

又、断熱性能が低い場合は、室内の熱が伝わり雪も解けるので雪の量は少なくなりますが、融雪水により雪が滑りやすくなる他、氷柱や氷板が出来ます。

勾配屋根は平らな屋根に比べ積もる雪の量は比較的少なくなりますが、勾配が緩いと雪が落ちていかない場合もあります。

断熱性能が低い住宅が空き家になった場合や、屋根の下の部屋を暖房しなくなった場合は人が住んで暖房していた時に比べ屋根に積もる雪の量が極端に多くなり、落雪屋根でも屋根の雪が落ちなくなる事もあるので注意が必要です。

2-3.屋根の勾配を確認する

平らな無落雪屋根では屋根の端部や雪庇に注意し、端に近づかない様に作業を行う事により、屋根から転落する危険性は少なくなります。

建物に固定された点検用ハシゴがある場合は、屋根を上り下りする際の安全性が高まります。

また固定されたハシゴに十分な強度がある場合は、命綱の固定にも利用出来ます。

勾配の大きい屋根では雪下ろし作業時にバランスを崩しやすく、雪止めがないと雪と一緒に滑り落ちてしまう恐れがあります。

また屋根に立て掛けたハシゴが転倒しない様にする必要があります。

勾配屋根の雪下ろしは危険性が高いので十分に注意する必要があり、少しでも安全確保に自信が無い場合には、業者に依頼する様にしましょう

2-4.足場面積を必ず確認する

物置や車庫は滑りやすい屋根材であると共に、屋根面積が狭いので、足を踏み外して転落する危険性が非常に高くなります。

平成24年度に発生した雪下ろし事故(311件)のうち車庫や物置での雪下ろし事故は全体の23%(71件)を占めています。

平屋の建物や2階建の1階部分の雪下ろしでも、滑りやすい事に変わりはありません。転落事故の事例も多いので、油断せず十分な注意が必要です。

3.雪下ろしの目安とタイミング

雪の重さは、どれだけ湿っているかにより変わってきます。

湿っている雪や氷のように固められた雪の重さは、1立法メートル当たり、500㎏にものぼると言われています。

湿った雪や根雪が1m積もると、その重さは軽自動車1台分にもなります。

細目に雪かきを行う事も大切ですが、大雪の恐れや大雪と予報された場合だけでなく、雨の予報にも十分気を付けましょう。

雨が降ると雪に水分を含んでしまいますので、さらに重くなってしまいます。

そうなる前に雪下ろしを行う事がベストなのですが、くれぐれも無理のない様に作業をしましょう。

4.雪下ろしの道具

スコップ

スコップには丸形と四角い形があります。

丸型は固い雪には適していますが、あまり量を運べないという欠点があります。

その為、多くの家庭は四角いスコップを使用しています。

素材は鉄、アルミ、プラスチックといった物がありますがプラスチックは軽くて使いやすい反面、固まった雪によって割れてしまう可能性もある為、適していません。

雪庇切り

雪が解けて一気に屋根から落ちてくると、軒が重みで壊れてしまう事があるので、その前に軒にぶら下がっている雪や氷柱をこの道具を使って落とします。

スノーダンプ

除雪はもちろん、屋根の雪下ろしにも最適なのがスノーダンプです。

一昔前は金属製が主流でしたが、近年では女性でも扱える様にと軽量化が進み、プラスチック製のスノーダンプが登場しています。

屋根の雪下ろしの際、滑り台の様に雪を下ろす道具です。

樋を使用する事で、落としたい場所に雪を落とす事が可能になります。

5.雪下ろしの手順

【手順1】ハシゴの固定と足場の確保をする。

作業中にハシゴがズレてしまわぬ様に、軒か棟の位置に真っ直ぐと立てます。

これで安定しているからと安心して1人で上る様な事はせずに、必ず誰かに、地上でハシゴの補助をしてもらいましょう。

また上る際には、足元が滑らない様に靴底の雪をキレイに落としましょう。

道具を持ちながらハシゴを上るとバランスを崩して危険なので、道具は屋根に上った後に渡してもらう様にしましょう。

【手順2】アンカー(命綱の固定場所)の強度確認をする。

アンカーは使用する前に、強度が十分かを確認しましょう。

【手順3】アンカーとハーネス(安全帯)を繋ぐ。

屋根に上ったらアンカーと命綱を繋ぎ、命綱を屋根から落ちない長さに調節をして上でハーネスと繋ぎます。

又、命綱の長さは軒先から1ⅿ程、雪屁を落とす際は50㎝程度になる様に調節しましょう。

【手順4】雪下ろしを行う。

雪下ろしを行う際には、全部の雪を下ろしてしまうと屋根材で滑落してしまう恐れがある為、屋根が見えるまで雪を下ろさない様に10㎝程の厚みを残しながら雪下ろしを行いましょう。

まとめ

雪下ろしは簡単そうに見えてとても体力のいる重労働な作業です。

その作業を屋根の上で行うのですから、もちろん危険も伴います。

その為、むやみには行って欲しくない作業なのです。

このままでは雪のせいで危険を伴う、と感じたその時だけ作業を行う様にしてください。

そして少しでも安全に作業が出来ないと判断したら、無理に自分で行わず業者に作業依頼をしてくださいね。

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