雨漏り修理で「屋根の葺き替え」を提案されて、「どんな工事をするの?」「費用はいくらくらいかかるの?」そう疑問に感じて屋根の葺き替え工事について調べていませんか?
屋根の葺き替え工事は屋根リフォームの中でも費用が高額で工事を依頼する業者の種類によって工事費用が大きく変動します。
屋根材の種類によって耐用年数(耐久性)や耐震性(性能)、将来的なメンテナンスコストが大きく異なるために、屋根材に関する事前知識を得て費用対効果の高い屋根材を選択する必要があります。
そこで、この記事では屋根葺き替え工事を始める前に確実に知っておくべき基礎知識について解説します。
現在の屋根材の種類に応じた葺き替えの種類や費用相場、業者の選び方について具体的に解説します。
これから屋根の葺き替え工事を始める方は、ぜひ参考にしてくだい。
目次
1.屋根の葺き替え工事の基礎知識
屋根の葺き替え工事は既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材に張り替える(葺き替える)屋根リフォームです。
スレート屋根やトタン屋根の場合は、カバー工法と呼ばれる既存の屋根材の上から新しい屋根材を重ね葺く(被せる)工法もありますが葺き替えとは異なります。
屋根の葺き替え工事とは新しい屋根材を撤去して「新しい屋根材に張り替えるリフォーム工法」ということを覚えておきましょう。
屋根の葺き替え工事は簡単な屋根修理や部分補修と異なり、屋根の全面リフォームになります。
高額な屋根リフォームになるので、費用を無駄にしないためにもシッカリと事前知識を身につけて臨むことが重要です。
1-1.屋根葺き替えが必要な劣化症状とタイミング
屋根の葺き替えを検討するにあたって、葺き替えが必要な劣化症状やタイミングを理解することが重要です。
屋根の葺き替え工事は費用が高額なために、業者によっては必要のない葺き替え工事を提案されることがあるからです。特に、訪問販売に屋根の劣化を指摘された場合は注意が必要です。
また、スレート瓦やトタン屋根は屋根塗装によるメンテナンスが必要ですが、耐用年数(寿命)が経過した屋根材は屋根塗装を行っても塗装がすぐ色褪せたり、剥がれたりするために葺き替えるの一般的です。
このように屋根の葺き替えは適切なタイミングや劣化症状があります。
普及率の高い3つの屋根材の劣化症状別の屋根修理の方法と屋根材に応じた葺き替えタイミングにについて見て行きましょう。
1-1-1.瓦屋根の葺き替えが必要な劣化症状
劣化症状 | 重症度 | 修理方法 |
---|---|---|
漆喰の剥がれ | 中 | 漆喰補修工事 |
瓦の割れ、ズレ | 中 | 瓦の部分交換・補修 |
瓦のうねり・歪み | 高 | 葺き替え・葺き直し |
雨漏り | 高 | 葺き替え・葺き直し |
瓦屋根の葺き替えは、雨漏りなどの内部の防水シートが劣化している状況や、屋根材が全体的に歪んだりうねったりしている際に必要です。
1-1-2.スレート屋根の葺き替えが必要な劣化症状
劣化症状 | 重症度 | 修理方法 |
---|---|---|
棟板金の釘抜け・ゆるみ | 低~中 | 部分補修 |
屋根の苔・藻の発生 | 低~中 | 屋根塗装 |
棟板金のサビ | 低~中 | 屋根塗装 |
棟板金に孔食(穴あき)の発生 | 中 | 棟板金の交換工事 |
屋根材の全体的な破損 | 高 | 葺き替え・カバー工法 |
雨漏り | 高 | 葺き替え・カバー工法 |
スレート屋根の葺き替えは、瓦屋根と同様に雨漏りなどの内部の防水シートが劣化している状況や、屋根材がボロボロに破損している状況で必要です。
1-1-3.トタン屋根の葺き替えが必要な劣化症状
劣化症状 | 重症度 | 修理方法 |
---|---|---|
棟板金の釘抜け・ゆるみ | 低~中 | 部分補修 |
屋根に錆の発生 | 低~中 | 屋根塗装 |
屋根材に孔食(穴あき)の発生 | 中 | 葺き替え・カバー工法 |
屋根材のめくれ | 高 | 葺き替え・カバー工法 |
雨漏り | 高 | 葺き替え・カバー工法 |
トタン屋根の屋根の葺き替えは、スレート屋根と同様に雨漏りなどの内部の防水シートが劣化している状況や、屋根材がめくれてしまったり、腐食をしてしまった際に必要です。
1-1-4.屋根材別の葺き替えのタイミング
劣化症状 | 耐用年数 | 葺き替えのタイミング |
---|---|---|
日本瓦 | 80年〜100年 | 40年(ルーフィングの交換) |
セメント瓦 | 30年~35年 | 35年〜40年 |
スレート瓦 | 20年~25年 | 25年〜30年 |
トタン | 15年~20年 | 20年〜25年 |
1-2.屋根葺き替え工事で比較するべき工法
屋根の葺き替え工事を検討する際に比較するべき工法があります。屋根の葺き替え工事以外の工法を検討することで費用を安くできることがあるからです。
日本瓦の屋根の場合、既存の瓦を廃棄することなく再利用する「葺き直し」も選択することが可能で、葺き替えと比べて修理費用を安く抑えることができます。
このように屋根葺き替え工事を検討するにあたって他の工法も比較することで修理費用を節約することも可能です。
それでは、屋根の葺き替え工事で比較するべき工法について解説します。
1-2-1.葺き直し
「屋根の葺き直し」とは既存の屋根材を再利用する葺き替え工法です。日本瓦は耐用年数が80年〜100年と長期的なことから、葺き替えのタイミングによっては新しく新規屋根材を設置する必要はありません。
「雨漏り修理」や「ルーフィング」などの劣化箇所だけを修理したいという場合はオススメできる工法です。
1-2-2.カバー工法
カバー工法とは既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せる(重ね葺く)工法です。
瓦屋根では施工できませんが、スレート屋根とトタン屋根の屋根リフォーム工法として広く普及するようになりました。
既存の屋根材の撤去費用が発生せずに、耐久性に優れたガルバリウム鋼板に葺き替えることで費用対効果の高い屋根リフォームを実現できます。
スレート屋根とトタン屋根で、安く新しい屋根材に張り替えたいという場合にオススメできる工法です。
1-3.屋根葺き替え工事の工程
屋根の葺き替え工事の施工期間は7日〜10日です。
【工程1】既存瓦の撤去
既存の屋根材を撤去します。
【工程2】野地板の設置
野地板(のじいた)と呼ばれる屋根材の土台となるベニア板を設置します。
【工程3】ルーフィング(防水シート)の設置
ルーフィングと呼ばれる防水シートを設置します。このルーフィングが屋根の二次防水で最終的に雨水の侵入を防いでいます。そのために、このルーフィングが劣化して隙間が生じたり、破れたりすると雨漏りに発展します。
【工程4】新しい屋根材の設置
防水シート設置したら、新しい屋根材を設置して屋根の葺き替え工事は完了です。
2.屋根葺き替え工事の種類
屋根葺き替えは葺き替える屋根材によって費用と性能が異なるために、葺き替え工事の種類を理解することは重要です。
ガルバリム鋼板は非常に軽量で瓦屋根をガルバリウム鋼板に葺き替えることで耐震性能が向上します。
このように屋根の葺き替えで後悔しないために、屋根材別の葺き替えの種類を理解することが重要です。
それでは、具体的に屋根葺き替えの種類について解説します。
2-1.瓦屋根の葺き替え工事
2-1-1.日本瓦→日本瓦
従来の瓦屋根が似合う和風住宅に多い葺き替え事例です。
日本瓦は施工単価が高く葺き替え費用も高額になりやすく、屋根材が劣化していなかったら葺き直しも検討するようにしましょう。
2-1-2.日本瓦→ガルバリム鋼板
日本瓦からガルバリム鋼板への葺き替えにおいて、ガルバリウム鋼板は日本瓦よりも1/6ほど軽量ため耐震性能を向上させるために葺き替え事例として施工事例が増えています。
また、屋根材の中でも耐久性に優れているのが特徴で費用対効果が高いのが特徴です。
住宅の耐震性の向上と費用対効果を重視する人にガルバリム鋼板による葺き替えはオススメできます。
2-1-3.日本瓦→スレート瓦
スレート瓦は瓦屋根の葺き替えではほとんど施工されなくなりました。
ガルバリウム鋼板よりも耐用年数が短く、屋根塗装によるメンテナンスが必要でコストパフォーマンスが低いため、現在ではほとんど施工されなくなりました。
屋根葺き替えのリフォーム費用をとにかく安くしたいという方にオススメできます。
2-2.スレート屋根の葺き替え工事
2-2-1.スレート瓦→ガルバリウム鋼板
スレート瓦の屋根リフォームはガルバリム鋼板によるカバー工法(重ね葺き)が主流です。既存の屋根材を撤去しないために安く新しい屋根材に張り替えることができるためです。
25年が経過した住宅で、今後10年以上住み続ける予定のある方にオススメです。
2-3.トタン屋根の葺き替え工事
屋根材 | 日本瓦 | スレート瓦 | ガルバリウム鋼板 |
---|---|---|---|
施工単価 | 8,000〜10,000 | 5,000〜7,000 | 6,000〜8,000 |
耐用年数 | 80年〜100年 | 20年〜25年 | 40年〜50年 |
耐震性 | 低 | 中 | 高 |
メンテナンス性 | 不要 | 屋根塗装(10年に1度) | 不要 |
2-2-1.トタン→ガルバリウム鋼板
スレート屋根をガルバリウム鋼板で重ね葺き(カバー工法)を行う事例と同じように、ガルバリウム鋼板による重ね葺き(カバー工法)はトタン屋根の葺き替えで最も費用対効果の高い工法になります。
2-4.屋根材の種類
屋根の葺き替え工事でオススメできる屋根材は、耐用年数が長く施工費用が安いために費用対効果の高いガルバリウム鋼板です。
ガルバリウム鋼板は非常に軽量なことから住宅の耐震性も向上させることができます。
このようにガルバリウム鋼板は費用対効果のバランスが良く、軽量で建物に負担を軽減できるために葺き替え工事でオススメできる屋根材です。
3.屋根葺き替えの工事の費用相場
屋根の葺き替え工事は屋根材の種類や業者によって同じ工事内容であっても施工費用が異なります。「相場よりも高額だった」ということが内容に屋根の葺き替え工事の費用相場について理解を深めましょう。
3-1.瓦屋根の葺き替え工事の費用相場
工事項目 | 30坪 | 40坪 | 50坪 |
---|---|---|---|
日本瓦→日本瓦 | ¥1,003,200~¥1,801,800 | ¥1,322,400~¥2,375,100 | ¥1,641,600~¥2,948,400 |
日本瓦→ガルバリウム鋼板 | ¥1,003,200~¥1,603,800 | ¥1,322,400~¥2,114,100 | ¥1,641,600~¥2,624,400 |
日本瓦→スレート瓦 | ¥805,200~¥1,405,800 | ¥1,061,400~¥1,853,100 | ¥1,317,600~¥2,300,400 |
3-2.スレート屋根の葺き替え工事の費用相場
工事項目 | 30坪 | 40坪 | 50坪 |
---|---|---|---|
スレート→スレート | ¥805,200~¥1,201,200 | ¥1,061,400~¥1,583,400 | ¥1,317,600~¥1,965,600 |
スレート→ガルバリウム鋼板 | ¥871,200~¥1,471,800 | ¥1,148,400~¥1,940,100 | ¥1,425,600~¥2,408,400 |
スレート→ガルバリウム鋼板(カバー工法) | ¥739,200~¥1,009,800 | ¥974,400~¥1,331,100 | ¥1,209,600~¥1,652,400 |
3-3.トタン屋根の葺き替え工事の費用相場
工事項目 | 30坪 | 40坪 | 50坪 |
---|---|---|---|
トタン屋根→ガルバリウム鋼板 | ¥871200~¥1471800 | ¥1148400~¥1940100 | ¥1425600~¥2408400 |
トタン→ガルバリウム鋼板(カバー工法) | ¥739200~¥1009800 | ¥974400~¥1331100 | ¥1209600~¥1652400 |
4.屋根葺き替え工事の業者の選び方
屋根の葺き替え工事は自社施工業者に工事を依頼すると適正価格でリフォームができます。なぜなら、下請けに支払う間接費用が発生しないからです。
ハウスケーカーや大手リフォーム会社に修理を依頼しても実際に工事をするのは下請けの屋根業者です。そのために、下請けに支払う間接費用が発生します。
一方で、屋根業者に葺き替え工事を依頼することで中間マージンが発生しないために、適正価格で工事をしてくれます。
また、お客様の要望や希望が直接工事に反映され安いために、「言った言わない」などの業者トラブルを回避することができます。
このように屋根の葺き替え工事は屋根修理やリフォームを専門とする屋根業者に依頼すると適正価格で修理ができます。
具体的な適正業者の種類は下記の通りです。
- 瓦業者
- 屋根板金業者
それぞれ、具体的に解説します。
4-1.瓦業者
瓦業者は瓦屋根の種類やリフォームを専門とする業者です。瓦屋根から瓦屋根に葺き替える際の専門業者になります。
4-2.屋根板金業者
屋根板金業者はトタン屋根の修理やガルバリム鋼板の施工など、金属屋根の専門業者です。ガルバリウム鋼板に葺き替える際の専門業者になります。
まとめ
いかがでしたか?屋根の葺き替え基本についてご理解いただけたかと思います。
屋根の葺き替え工事は既存の屋根材に応じた種類があり、劣化症状によっては葺き替えが必要ないケースもあります。
そのために、屋根の葺き替え工事を検討する際は自宅の屋根材に最適な葺き替えの種類と費用相場を理解して取り組むことが重要です。
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