近年、災害対策やエコの観点から、太陽光パネルを自宅の屋根に設置するお宅も増えてきました。
自然の力だけで自家発電できるのはとても魅力的ですよね。太陽光パネルの導入を考えている方も多いと思います。
太陽光パネルを屋根に設置する際は、大半のケースは屋根の野地板に太陽光パネルを取り付ける方法となります。実はこの野地板に太陽光パネルを設置する際、適切な施工をしないと雨漏りや屋根材破損の恐れがあるんです。
今回はこの太陽光パネルの野地板への設置の注意点についてまとめてみました。
目次
1.野地板の役割と由来
野地板(のじいた)とは、屋根材を乗せる前の下地材です。屋根の骨組みである垂木の上に貼って、まず屋根を野地板で平らにし、その上に防水シートなどで防水加工を施したあと、屋根材である瓦やスレートなどを葺きます。
野地板の「野」とは、「見えないところに用いる」という意味合いがあり、野地板とは外からは目に見えない板という意味でこう呼ばれています。
2.野地板の種類と特徴
2-1.構造用合板
一般に広く普及している野地板材。
合板は、木材を薄くむいて板にして、板の繊維方向が互いに直交するように奇数枚を積み重ねてたものを接着剤で貼合わせ、プレスして1枚の板にしてあります。特徴としては、1枚あたりのサイズを大きく取れるので、つなぎ目が少なく雨漏りの心配が少ないで、一般住宅で好んで使われます。
2-2.バラ板
杉やヒノキなどを一定の厚さに裂いて作った板材。幅は狭く、100〜120mm程度のものが多い。
比較的昔に流行した野地板材で、特に昭和40年前後の建物によく使用されていました。バラ板は、構造用合板に比べ板と板の間隔が広いので、通気性は良いというメリットがありますが、強度としては構造用合板に劣ります。
2-3.パーティクルボード
解体の際の廃材などで出る木材のかけらを接着剤と混合して、熱と圧力をかけて成形した木質ボード。
カットの大きさによって様々な種類があり、材料や製法により強度や品質が変わります。
裁断が細かくなるにつれ、抵抗力が弱くなり、カビが発生し易くなっていくデメリットがあります。
2-4.耐火野地合板
合板の中でも、特に耐火性に特化して開発された、木材でありながら火に強い合板です。
耐火野地板は、30分の耐火をクリアする合板で、火に強いので防火が必要な準防火地域、防火地域、屋根不燃区域にお住まいの場合は、この耐火野地合板の施工が義務付けられています。
耐火野地合板には2つの種類があり、木材をリボン状にした木毛とセメントでできている「木毛セメント板」と、木毛よりも短い木片とセメントを練り合わせて成形される「木片セメント板」があります。
耐火性は期待できますが、価格は他の合板に比べて2倍以上高くなります。
3.太陽光パネルの設置方法
一般的に太陽光パネルの設置方法は、まず架台と呼ばれる太陽光モジュールをのせる台や枠を固定する支持金具を、垂木か野地板にビス止めし、その上に太陽光パネルを設置します。
設置にあたり、風速38m/秒の風力までに耐えられるように規定されています。太陽光パネルを設置する際は、原則として野地板の厚さが12mm以上であることが推奨されています。
3-1.固定法の種類
- 垂木固定工法 ・・・屋根の垂木に取り付け金具を打ち込む工法
- 野地板固定工法・・・屋根の野地板に直接取り付け金具を打ち込む工法
4.野地板に太陽光パネルを設置する際の注意
4-1.垂木固定工法の注意
ネジを打つ場所は、屋根の枠組みでもある垂木に打つのが強度の上でも望ましく、その強度は野地板固定に比べ約10倍あるとされています。 雨漏り防止の観点からも、太陽光パネルは垂木に固定した方が雨漏りしにくいとされています。
また、メーカーも垂木固定を義務付けている会社があり、推奨の設置方法でない場合、メーカーの保証の対象外となることもありますので、十分に事前チェックした上で設置しましょう。
4-2.野地板固定工法の注意
太陽光パネルのサイズや架台の仕様により、屋根の垂木とうまくピッチが合わないという事例もあります。
垂木固定が難しい場合は、野地板固定工法を採用し、垂木固定に比べて支持金具の本数を増やすことで強度を確保します。デメリットとして、正しい施工をしないと雨漏りの危険性があります。
メーカーによっては、野地板固定でも保証対象となるパネルもありますので、屋根の形状や野地板の材料、垂木の構造など総合的に把握した上で、太陽光パネルの施工業者とよく相談し、メーカーや施工方法を検討する必要があります。
4-3.太陽光パネルを設置できない野地板
野地板が「コンクリートパネル」の場合、基本的に太陽光発電システムは設置不可の場合が多いです。 コンクリートパネルは合板ではありますが、構造用合板よりも強度が弱く、基準を満たせないため設置不可とされています。
4-4.野地板固定工法の雨漏り
野地板は1cm程度の厚みであることも少なくないので、野地板固定工法の場合、正しく施工しないと強度不足、貫通による水漏れトラブルに発展する事があります。屋根の条件により、野地板固定工法となってしまった場合、やはり雨漏りの危険性が高まるため、不安を覚える方も多いと思います。
野地板工法で雨漏りを防ぐには、コーキング材などによる正しい防水処理が必須です。
雨漏りを防ぐためにも、施工業者は慎重に選んで下さい。
4-5.雨漏りを防ぐ施工方法も
太陽光パネルの普及により、独自の工法を開発している施工店もあります。野地板固定工法が不安な方に向けて、屋根に穴を開けないで設置できる太陽光パネルの施工方法も編み出されてきました。独自のシステムで、屋根に穴を空けることなく太陽光パネルの設置を可能にしている施工店もありますので、野地板の強度や雨漏りを心配される方は検討されてみると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?災害に強く、エコな生活が期待できる太陽光発電ですが、その設置にはいろいろな危険性があることがわかりました。
不安な面も多いですが、事前にこの記事を参考にしっかりと下調べと準備をすれば、もちろん太陽光発電のメリットも多彩です。せっかく太陽光発電を取り入れてエコな生活を送ろうと決断したのに、野地板が原因で導入できないのはもったいないですよね。この記事を参考に、屋根の素材とあったパネル設置ができるメーカーの選択などを検討すれば安心ですね。
太陽光パネルの導入を機に、屋根材や屋根の劣化具合などをチェックするのもいいタイミングだと思います。
屋根の劣化具合によっては、ビス固定の貫通による雨漏りの心配も出てきますので、よく確認するといいですね。
築30年以上のお家であれば、屋根の葺き替えの必要がある場合もありますし、軽度の劣化であれば、屋根の塗り替えにより雨漏りを防ぐこともできます。吹き替えの際は、今後の太陽光導入を見越して屋根材を選ぶことも考慮すると良いでしょう。最近の塗料は、耐久性や防汚性を高めた高機能な塗料も増えています。屋根の状態に合わせて適切なメンテナンスをし、大切な我が家を長持ちさせましょう。
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