わたしたちのとても身近にあるアルミニウム。いろいろな場面で使われていますね。
例えば、ジュースなどの飲料缶や食品や医薬品の包装や家庭用の器具などがあります。
では、屋根材にアルミを選ぶのはどうなのか?
そこで、今回はアルミ屋根の工法とメリット、デメリットについてまとめてみました。
目次
1.アルミ屋根のメリットと性能について
1-1.非常に軽いく耐震性が高い
アルミ屋根の一番の特徴は非常に軽いことでしょう。
古くから使われている瓦屋根などは耐久性が高いものの、重さがネックになっています。
アルミ屋根の強度を上げるために厚みをださなくてはなりませんが、それでも他の屋根材に比べると軽量です。
【表】屋根材の平均重量(/坪)
屋根材 | 平均重量 |
日本瓦 | 160kg |
スレート瓦 | 68kg |
セメント瓦 | 140kg |
カラーボード | 20kg |
ガルバリウム鋼板 | 20kg |
アルミ | 18kg |
一番重い日本瓦に比べると、アルミ屋根は20分の1の重量しかありません。
震災が起きたときに建物の倒壊のリスクは建物の重量よって左右されます。
特に屋根が重いと、重心の位置が高くなり揺れが大きくなってしまうのです。
そこで、屋根を軽くして重心を低くし、揺れを抑えるのです。
それゆえ、現在では軽量の屋根材を選ぶのが主流になっています。
様々な屋根材がありますが、耐震性に絞って考えると金属系の屋根が圧倒的に有利でしょう。
金属屋根のアルミ屋根は耐震性に十分貢献できると言えます。
1-2.耐久性、耐食性が高い
アルミニウムは比強度(単位重量当りの強度)が大きいため、建築物などの構造材料として多く使用されているのです。
輸送機器に使用されることもあるほどの素材ですが、屋根などの外装材の場合は、長年にわたって雨風にさらされたり、強い太陽光にさらされたりで、耐久性がどんどん低下していきます。
しかし、近年のアルミ屋根は表面にフッ素加工など特殊な加工を施している商品が多くなり、耐久性が高まり長持ちするようになってきています。
また、アルミ材は錆びにくく耐食性が高いと言えます。
1円玉を想像していただくとわかりやすいでしょう。
1-3.加工性がよい
アルミは加工がしやすく、さまざまな形状に成形することが可能です。そのため、複雑な形状にも対応することができることから、きわめて広い用途で使用されます。
1-4.寒さに強い
コンクリートなどは変形はおきにくいですが、亀裂が入ったり割れてしまったりする場合がありますが、アルミという材料は粘り強く、極低温下でも変形がほとんどなく割れ広がることへの抵抗力が強いです。
そのため、最近では宇宙開発などの最先端分野でこの特性が脚光を浴びています。
2.アルミ屋根のデメリット
2-1.強度不足
アルミ屋根は薄いためどうしても強度が弱いです。
い屋根材で葺く方法だと台風や強風の時に破損してしまうおそれがあります。
強度を増やすためには厚みを出せばよいのですが、そうなると価格が高くなってしまいます。
2-2.アルミ屋根の加工は高い技術力が必要
アルミ屋根は金属系の屋根です。
試してみたことがある方も多いと思いますが、金属は曲げを繰り返すと折れてしまいます。
たとえ折れなかったとしても、曲げ加工をした部分に小さな亀裂が入ってしまうこともあるのです。
結果、雨漏りに繋がってしまいます。
2-3.錆びがでる
先ほど、1円玉を例に出しましたが、1円玉は確かに錆びません。
それはなぜかというと、アルミの純度が高いためです。
それなら、屋根材にも純度100%のアルミを使えばいいと思うかもしれませんが、屋根材としてはアルミの純度が高いほど耐久性が弱まってしまうのです。
そこで、屋根材のアルミには耐久性を高めるために様々な成分を混ぜるのです。
その混ぜ合わせた成分から錆が発生してしまうのです。
また、アルミ屋根の固定に鉄の釘などを使用すると、電触によってもらい錆びが発生する可能性もあります。
2-4.遮熱効果が低い
金属の特性として、熱を通しやすいという点が挙げられます。
特にアルミ屋根の遮熱性は屋根材の中でもトップレベルに悪いとも言われています。
アルミには光や熱を反射する性能もあるため室温が上昇し過ぎるということはないかと思いますが、やはり、遮熱対策はするべきですので、その分コストの増加につながります。
2-5.価格が高い
アルミ屋根は高額になります。まずアルミ自体が高額ですし、施工のコストが高いことも高額の要因でしょう。
ステンレスと同じくらいの価格になります。
施工技術を要する屋根材だけに、腕の悪い業者にお願いしたらかえって高くついてしまったなんてことにもなりかねません。
3.アルミ屋根の工法
3-1.瓦
瓦型に成型したアルミ屋根を使用します。
和風、洋風を問わずオールマイティに楽しめるデザインです。
3-2.平葺き
水平に並べたアルミ屋根材は、とてもすっきりとして見え、人気がある工法です。
3-3.カバー工法
既存の屋根を撤去せずに上から被せます。
工期も短くすみますし、廃棄物も少ないためコストを抑えられとても経済的です。
4.アルミ屋根のメーカー
【表】アルミ屋根の種類
メーカー | 商品名 |
株式会社タイセイ | アルミ瓦アルミダイカストルーフ |
昭和アルミ株式会社 | Gルーフ(グランドハイルーフ) |
アルアピア株式会社 | アルアピア横段葺き |
有限会社中村ルーフ | アルミ成型瓦スーパールーフエコ |
三ツ星貿易株式会社 | スーパールーフ ラスティックシングル |
5.まとめ
この記事ではメリットとデメリットをお伝えしましたが、高い技術力をもった職人が加工・施工しなければメリットの部分が活かせないということがわかったと思います。
また、アルミ屋根は高級品になります。
ですので、現在はまだ一般家庭であまり使用されていることはありません。
お住まいの建物に使用した場合、きちんとアルミ屋根の性能を発揮できるのか、施工を頼む業者がアルミ屋根施工成功の鍵になります。
周辺環境や費用対効果をしっかりと相談したうえでアルミ屋根を選択することをお勧めします。
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