屋根融雪システムと聞くと降雪の少ない地域の方は知らない方が多いかも知れませんが、豪雪地域では欠かせない必須システムなのです。
屋根融雪システムは電気での駆動や温水を使用したものなど、様々なシステムがあります。
その中でも、最も強いパワーを持っているのが灯油、ガス方式の融雪システムです。
電気を使ったものが普及する中で、根強く残っている灯油、ガス方式の屋根融雪システムとは一体どんなものなのでしょうか?
詳しくお伝えしていきますね。
目次
1.灯油ボイラー方式とは?
地上に設置したボイラー内の不凍液を灯油やガスで温めて、その熱を屋根に設置したパイプまで届けます。
温まったパイプは、降り積もる雪をその場で融雪していきます。
パイプにしっかりと熱が伝われば、現在の融雪システムの中でも一番パワーを発揮する融雪システムと言えます。
1-1.熱源について
設備はボイラーを使用。
又、灯油方式以外にもガスを燃料としているものもありますが普及しているものとしては灯油方式の方が多いです。
1-2.熱を得る方法とは?
敷設するパイプの中に、ボイラーで高温化した不凍液を循環させます。
そこから排出される排熱により、融雪していきます。
最も融雪温度が高いので、得られる熱量は一番大きいです。
1-3.メンテナンス方法とは?
3年に1度は不凍液の交換を行う必要があります。
その際にボイラー自体の定期点検なども行っておくと良いでしょう。
2.灯油ボイラー方式を設置する前に覚えておきたいこと。
2-1.その時の原油価格によりランニングコストが左右されてしまう。
灯油ボイラー方式は、原油価格によりランニングコストが大きく上下します。
例えば、1L90円台であれば電気方式のものよりも安くなります。
都市ガスなどが使用出来ればより安くなります。
2-2.施工範囲が広い程、設置費用が安くなる。
メーカーによって異なりますが、施工範囲により様々な型式があります。
10㎡未満はA式、11~20㎡はB式と言った具合に、屋根の面積によって型式が異なってきます。
その価格も施工範囲が広がる程、単価は安くなる傾向にあります。
2-3.灯油ボイラー方式は、屋根内部ではなく屋根表面に設置しよう。
屋根内部の方が屋根全面の雪をムラなく溶かす事が可能ですが、そうする事によってメンテナンスが困難になり余計にコストが掛かってしまいます。
その点、屋根表面に設置する方がメンテナンスも楽でコストも抑えられる為、お勧めです。
又、直接雪に触れる事で融雪効果も一段と上がります。
2-4.融雪システムは雪が降り始める前には起動しよう。
一見、万能そうな融雪システムなのですが雪が積もってから動かしても中々溶けてくれません。
融雪システムの付近の雪は解けても、その他の雪は残ったままになってしまいます。
天気予報などで確認をしながら、雪が降り始める前には起動しておきましょう。
2-5.近隣住民への騒音と排ガスの臭いに注意をしよう。
融雪システムにおいて昔から消える事の無い騒音問題なのですが、現在は比較的改善されつつあります。
それでも多少の音は出てしまいますので注意が必要です。
又、ボイラー方式では排ガス特有の臭いの問題もありますので、近隣住民とのトラブルに注意をしましょう。
近隣住民の方には前もって、多少の音や臭いが出てしまう事を伝えておくと良いかも知れません。
2-6.火気厳禁の為、くれぐれも注意が必要である。
灯油ボイラー方式は原油を使用している為、火気厳禁の装置です。
一つ間違えれば火災事故にもなり兼ねない為、十分な注意が必要です。
火気を近づけない事はもちろんなのですが、小さいお子様やご高齢の方がいるご家庭では誤って火気を近づけてしまう恐れもある為、細心の注意が必要です。
まとめ
灯油、ガス式の融雪システムは、メンテナンスが非常に面倒です。
日常的な灯油の交換が必要で、慣れていない方には面倒な作業になります。
又、定期的なメンテナンスも必要で、大体の寿命は10~20年になります。
しかし、他の融雪システムと比べてパワーがあり原油の高騰さえなければ最もランニングコストが安く、メンテナンスと環境に注意をすれば最大寿命の20年は保てるでしょう。
現在は様々な融雪システムがありますのであなたにあった融雪システムを選択して、快適な冬を過ごしてくださいね
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