「平板瓦」だけでなく、「F形」、「フランス瓦」、「フラット」、「平瓦」などなど、この記事にたどり着く検索ワードは様々でしょう。
イメージの定まっていない平板瓦について、これを読めばすっきりできるようまとめてみました。
1.平板瓦って平瓦の違いとは
名前が似ているので、「呼び方が違うだけで同じ瓦の事だろう。」と勘違いしている方が多いですが、平板瓦と平瓦は別物です。
その勘違いを解消するためにも、まずは「平瓦」とは何かを説明します。
日本では古くから屋根に瓦が使われています。
昔の瓦の葺き方は、最初にゆるくカーブしている長方形の板状の瓦を並べて敷き詰めていき、そしてその瓦の継ぎ目を覆うように丸瓦を乗せていきます。
この葺き方を本瓦葺きと言い、最初に敷いた瓦が平瓦になります。
ところで、この本瓦葺きですが何しろ屋根が重くなるのが特徴です。
そのため本瓦葺きは構造がしっかりとしている神社やお城などにしか使われていませんでした。
そこで、平瓦と丸瓦か一体となったような形の桟瓦という瓦が誕生します。
今まで2種類の瓦を使用して葺いていましたが1種類の瓦のみで葺いていけるのは画期的で、何より軽量化が実現したのです。
桟瓦の開発は一般住宅に瓦を普及させた大きな要因のひとつだったと考えられます。
2.フランス瓦と平板瓦って同じでしょ?
瓦は原料、製法、形状によって分類されます。
平板瓦とは粘土瓦を形状で分類した場合に、その名の通り平らで板状の形をした瓦の総称となります。
フラット(平ら)な形からF形と表現される事があり、平板瓦とF形はメーカーや業者の呼び方が違うだけで同じ瓦を指します。
フラットな形をした代表的な瓦といえばフランス瓦です。
では、フランス瓦と平板瓦は同じなのでしょうか。
厳密に言うと別物になります。
フランス瓦とはフランスで作られた瓦の事です。
そして、フランス瓦を手本にして日本で開発された瓦が平板瓦になります。
そのため同じ形状でも違う瓦を指します。
F形のFはフランス瓦のFに由来するという説もあります。
こういった経緯からフランス瓦と平板瓦とF形の区別ができなくなってしまう人が多いのかと思います。
3.平板瓦の特徴とは
平板瓦はさらに3つのタイプに分類することができます。
3-1.F形 Uタイプ
平板瓦の中で1番基本的な形になります。
両端に立ち上がりをもたせたデザインで断面図が“U“に見えるためUタイプと言います。
このタイプの瓦を並べて敷き詰めていくと樋のような水を通す道ができるため水はけの良さが特徴です。
3-2.F形 Fタイプ
瓦の面にほとんど立ち上がりがなく、フラットな形です。
仕上がりの見た目がコロニアルの屋根と似ていて、すっきりとシャープでモダンな印象の屋根になります。
フラットの形状の瓦を敷き詰めるので、あまり隙間が無く通気性が悪くなってしまい瓦の裏に結露が発生してしまう事があります。
3-3.F形 Mタイプ
瓦の面に山が二つあることからMタイプと言います。
波形と表現されることもあります。
特徴的なデザインの瓦は西洋風の建物によくマッチするデザインです。
まとめ
いかがでしたか?震災以降、粘土瓦は重いという理由から避けられる事が多くなりました。
しかし、現在は瓦の軽量化に始まり施工方法など改良されて耐震性も向上しています。
また粘土瓦はとても強い屋根材で日本の風土にとても適しています。
それでも近年、瓦の需要が減ってきていると言います。
粘土瓦のデメリットばかりが取り上げられているのが要因の一つではないかと思います。
例えば今回紹介した平板瓦ですが、瓦同士の重なり部分が少ないため雨漏りしやすいなどという情報がありますが、施工例の全てに当てはまるとは限りません。
専門家から粘土瓦のメリット、デメリットの説明を聞き、自宅の屋根は粘土瓦に向いているのか相談してみてください。
平板瓦は各メーカーから様々な種類が出ていて、洋風、和風共にマッチするデザインのものに必ず出会えます。屋根選びを楽しんでください。
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