雨樋修理の2つの方法と火災保険で費用を節約して賢く修理する全知識

雨樋_2

早速ですが皆さん、お家の雨樋が何かわかりますか?

そうです。外壁や屋根に付いている筒状になっているパイプみたいなやつです。

どのお家にも付いているものなので、あまり気にも留めない方が多いと思います。

確かに雨樋は地味な存在ですが、お家にとっては重要な役割を担う大事な部分です。

この記事では、この雨樋について、詳しく追っていきたいと思います。

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 1.雨樋修理の基礎知識

雨樋を火災保険で修理する方法

そもそも、雨樋はどのような役割を担っているのでしょうか。

辞書で調べてみると「雨水を軒先で受けて地上に流すために取り付ける細長い樋」と出てきます。

要するに、雨樋とは屋根に降った雨水を、地面に運ぶ役割を持っているという事です。

1-1.屋根における雨樋の役割

この雨樋が無いと、屋根の凹凸に沿って幾筋もの水流が軒先から落ちることになります。

小雨なら水滴が垂れる程度で済みますが、雨が激しくなると、何本ものホースを並べて屋根の上から水を落としているような状態になります。

落ちた箇所は水浸しとなり、また地面が土だった場合、落ちる水が土を削り流して軒下に大きな水たまりを掘ってしまいます。

この現象はコンクリートやタイルの地面のお宅でも同様に、土を削り流すことはないものの、大きな水たまりが出来てしまうのは間違いありません。

このような状態に置かれていますと、お家の腐食が早まるのは言うまでもありません。

雨が止んでも水たまりはなかなか乾かず、雨の度に外壁の土台部分が水ハネや泥ハネに晒され、汚れと傷みでお家の寿命を縮めることになってしまいます。

雨樋の役割は非常に重要なポジションになります。

すなわち、雨樋に不備があると、お家そのものに影響が伝わりやすくなってしまうという事です。

1-2.屋根の雨樋から流れた水の行方

雨樋から流れていく水は、そのお住いの自治体によって変わってきます。

その土地に浸透させ処理をする場所もあれば、下水として下水管に繋げるよういしている自治体もあります。

土地に浸透させて処理することを規定としている地域には、雨水を処理する専用の設備が街中に施してります。

普段の生活の中でしたら特に問題はないのですが、大雨などが続きますと、その専用の設備だけでは処理しきれない事態になることも多々あります。

処理されなかった雨水は、そのまま道路などで彷徨ってしまうこともあるので、気になる方は1度、ご自分の地域の自治体に確認を取るのもいいと思います。

2.雨樋の種類

雨樋を細かく分類すると「竪樋」・「軒樋」の2種類に分けられます。

簡単に説明しますと、外壁の横の、上から下へと付いている雨樋が「縦樋」。屋根に寝かせて付いている雨樋が「軒樋」になります。

軒樋に比べると縦樋の方が、景観がどうしても目立ってしまうため、外壁と同じ色にするなど、出来るだけ目立たせないように、見えやすい場所にはなるべく取り付けないなどというのが、基本的な考え方になります。

2-1.雨樋から流れた水の行方

雨樋は、少なくても、屋根1枚に付き1つ以上の雨樋が必要になります。

少なくても1つ以上なので、屋根が大きいお家ですと2本以上付いているお土がほとんどです。

また、バルコニーや屋上があるお家にも、もちろん雨樋が必要なので、バルコニーがいくつか付いているお家でしたら、その分雨樋の本数も増えていってしまいます。

このように、お家の形によって雨樋の必要本数も変わっていきます。

これからお家を建てる予定のある方は、最初にきちんと雨樋の色や本数を確認しておく必要があります。

 2-2.雨樋の破損からくる被害

私たちの住む日本では、世界でも珍しいくらいに四季がはっきりと分かれているため、雨や雪が1年を通して降水量が多い国となります。

台風や積雪など、天気によって雨樋は日々変形していってしまうものです。

雨樋が、変形や破損をしてしまうと、うまく雨水を排水出来なくなってしまいます。そうなってしまうと、雨水が流れ出す方向がお家への浸水ということにだってなり兼ねません。

また、雨樋を固定している金具も変形や破損といった被害を受けることもあり、その小さな被害が、後に雨樋のズレや外れに繋がってしまうのです。

最悪の場合、雨樋が外れてそのまま落下してしまったお家もあるといいます。

2-3. 雨樋はこまめに点検

排水という大事な役割があるので、定期的に点検することをおすすめします。

破損やゆがみ、ズレや外れなどを確認しましょう。

雨が降った日などに、きちんと雨水の流れがスムーズなのかも見てみるといいと思います。

とはいいましても、縦樋の下の方ならまだしも、上の方や軒樋なんかは自分で確認をするのは難しいと思いますし、素人の私たちが高いところに登るのは、大変危険ですので、無理をせず、専門のプロにお任せしたほうがよろしいかと思います。

ほとんどの工務店や業者は、そういった点検を無料で行っているところが多いので1度利用してみるのもいいと思います。

 3. 雨樋の種類と構造

雨樋には色だけでなく、サイズや形・材質など様々な種類があります。

3-1. 雨樋の主な種類

主なサイズは、縦樋でしたら直径50mmと60mm、軒樋ですと幅100mmと105mmが主なサイズとなっています。また、形も主に丸樋、角樋のタイプがございます。

丸樋

軒樋半丸型
一般住宅でとても多く使用されているもので、色が豊富なのが特徴です。また、予算の面でも角樋よりも安いと言われています。

角樋

軒樋箱型

底が平らになっており、丸樋よりも断面積が大きく摂れるので排水能力が高いと言われています。また、水平勾配も丸樋よりも必要がないため、軒先のラインが美しく仕上がるメリットがあります。しなみに、大手ハウスメーカーなどでお家を建てられた方は、雨樋のデザインと重視して、形やサイズが特殊な雨樋が使用されている場合があります。この場合ですと、ホームセンターなどでの部材購入は難しいです。

3-2. 雨樋の主な材質

塩化ビニール製品は、価格が安いのが特徴で、様々な製品があります。

しかし、安い=消耗品と考えざるを得ない製品となります。

寒暖により伸縮があり、経年によっての影響は、硬化の為に割れやヒビを発生しやすくします。

主に、専用の継手と接着剤を用いてつなぎ合わせますが、接合する軒樋の長さは10m以内、また10mを超える場合は伸縮継手を設けるのが普通です。

非塩ビ系合成樹脂材製品

雨樋の非塩ビ系合成樹脂材製品
ここ最近では、様々な用途やエコへの注目もあってか、再利用が比較的利く非塩ビ系合成樹脂製品が多く見られるようになってきました。塩ビ製品よりも値段が上がるのですが、お洒落なデザインが多いことが特徴です。施工に関してはメーカーによってそれぞれの基準が設けられています。

 金属系製品

雨樋金属系
一昔前は、雨樋=金属系が主流でした。その為、今でも雨樋を施工する専門業者といえば建築板金工であるというイメージもこれに由来しています。材質は、合成軽量アルミ・ステンレス・銅などがあり、お寺や長期住宅で使用されています。また、比較的メンテナンスが困難なビルなどで今も使用されています。塩ビとは違い施工に手間がかかってしまうのが特徴的で、一番丈夫なのですが、値段も高いために一般住宅で使用されることはあまりありません。

 木系製品

雨樋木系製品
日本古来~昭和ごろまでは、武家屋敷などの立派なお屋敷で、竹を利用した雨樋が一般的に使用されていました。昭和ごろから薄鉄板が普及され、あまり見かけなくなりましたが、現在でもお茶室や重要文化財などの建物では見られます。

3-3. 雨樋を固定する金具

雨樋は、樋受けや金物・つかみ金具によって建物に取り付けられます。
樋受けや金物・つかみ金具にも用途別に様々な種類があります。
主に主流となっている金具の材質は、ステンレス製・鉄部・溶解亜鉛メッキとなりこの金具に関しても、その屋根・軒樋に合ったものを使用するのが一般的です。また、金具の付け方には基準が設けられていますが、それに関しても、樋の材質や形状・建物の形によって異なります。

 

つる首

雨樋の取り付け金具つる首

垂木に打ち付けるタイプ

 

打ち込み

雨樋の取り付け金具打ち込み

垂木に打ち付けたり、鼻隠しと軒先の差がない時に使用するタイプ

正面打ち

雨樋の取り付け金具正面打ち

鼻隠しの正面に取り付けるタイプ

つかみ金具

雨樋の取り付け金具つかみ金具

縦樋を固定するときに使用するタイプ

 4. 雨樋の修理方法

雨樋の代表的な修理方法は、「取り替え」と「塗り直し」になります。

また、取り替えや塗り替えなどの修理費用に関しては、使用する材料や施工方法・修理内容によって変わります。

雨樋を修理するにあたって、本当に交換が必要なのか、修理のみで済むのかを判断します。

築年数20年ほど経っていると、一般的には交換が必要と言われています。

ただし、その期間の間に、外壁塗装のついでに雨樋の塗り替えも行っているお家や、劣化状況によっても変わりますので一概には言えませんが、平均的な期間ですとこのぐらいになります。

4-1. 【雨樋の修理方法】取り替え(交換)

雨樋交換

雨樋に関しては塗り直しなどを行うよりも交換したほうがいいとの声は多く上がります。

確かに、雨樋に傾きや折れ・曲がりなどの問題がある場合は交換が必要になります。特に、雪や強い雨が降ったなどの億天候の翌日は点検が必要です。

しかし、使用している物によっては塗り直しのみで納まる場合もあります。

4-2. 【雨樋の修理方法】塗り替え

雨樋塗装

正直に申し上げると、雨樋の劣化は塗装で解決できるものではありません。

もともと雨樋は、自然災害などによって影響を受けやすい場所ではありますが、だからこそ頑丈な素材で作られています。

よって、耐久性も高いので、塗装をする必要がありません。

しかし、これは雨樋に限ったことではないのですが、いくら頑丈だからと言って、新品の時と同じようにきれいであることはないので、経年劣化が目立ち古びた印象が気になる方には塗り替えをすることによって、劣化を目立たなくさせるのもよろしいかと思います。

冒頭でも申し上げたように、縦樋は軒樋よりも目立つ場所にあるので外壁塗装をしたついでに塗り替えるといいですね。

外壁の塗り替え方法とは違って、雨樋の塗り替えは3度塗らなければならないという決まりは特にありません。

それこそ業者によって方法は様々です。

むしろ雨樋の塗り替えを必要と感じていない業者さえいらっしゃいます。

この事に関しましては、好みの違いになってしまいますが、個人的に綺麗な雨樋を長い期間保つことに重点を置くならば、3度塗りがベストだと思います。

もちろん3度塗りなど、塗る回数が増えればその分金額も上がってしまいますが、塗り替えを希望している方は3度がお勧めです。

4-2-1.塗り替えをするにあたっての注意点

塗り替えをするにあたって、下地処理をきちんと行う・屋根または外壁と同じランクの塗料を使用する。

この上記の2点が、塗り替えをするにあたっての基本的な注意点となります。

どこを塗るにしても下地処理はとても大事な過程になります。

ここを疎かにしてしまうと、どんなにいい塗料を使用しても意味がありません。

塗料との密着性を考えても、下地処理の工程を省くわけにはいきません。

また、屋根や外壁と同じ塗料の使用というのは、仮に雨樋だけワンランク下げた塗料など、違う塗料を使用してしまったために、雨樋の塗料の方が先に剥がれてしまい、結果雨樋のみ塗りなおすことになってしまいます。

追って詳しくお伝えしますが、そうなってしまうと、塗料をワンランク下げて費用を抑えたつもりが、かえって大きな負担になってしまうことになるのです。

修理(部分交換など)

雨樋は一部のみの損傷であれば全面的に交換しなくても、部分的に交換・修理が行えます。もちろん全面交換よりも費用を抑えることが出来ます。

 金具交換

外れているだけの雨樋でしたら、雨樋を固定している金具の損傷が考えられるため、古い金具を抜いて、木工用パテなどで穴を埋め、2cm~3cm隣にずらした箇所に新しい金具を取り付けます。

 部分交換

雨樋の途中が部分的に折れてしまっている場合は、破損している箇所を切断します。その後、既存の雨樋と同じ太さ・材質のものを雨樋専用接着剤で固定するだけで、既存のものと繋げて使用することが出来ます。

 5. 雨樋修理の費用

上記でご紹介したように、一言で雨樋を修理すると言っても様々な施工方法があり、また、その材質や状況によっても金額は変わります。

5-1. 雨樋の交換・修理の場合

「雨樋交換=1~3万円程度」

「雨樋全面交換=30万~60万円程度」

「雨樋清掃=1万~3万円程度」

5-2. 雨樋の塗り替えの場合

「シリコン系塗料=5万円~10万円程度」

「ウレタン系塗料=3万円~7万円程度」

ウレタン系塗料ですと、シリコン系塗料よりは3割ほど安くはなりますが、その分耐久年数が短くなります。

また、上塗り回数によっても値段が変わりますので、施工する際は、何度塗りでいくらかかるのかきちんと確認しておきましょう。

6. 雨樋修理で業者を選ぶ際の注意点

信頼の出来る業者に頼みましょう。

きちんと屋根に登り、ご自宅の状況を把握し、適切な判断をしてくれる業者がよろしいかと思います。

雨樋のどの修理方法でも必ず足場が必要になってきます。

というのも、雨樋を固定する際に、屋根の上に乗って金具を付けるという施工が、ほとんどの場合はしないからです。

きちんと足場に立って作業を行います。よって、足場がなくても施工が可能という業者には注意が必要です。

7. DIYで雨樋を修理する際の注意点

よくネットでも「お家のリフォームを自分で出来るのか」という記事を目にするようになりました。

単刀直入に申し上げると、ハッキリ言ってお勧めは出来ません。

確かに絶対に出来ないという訳ではありませんが、実際にやってみた方の感想を聞くと「最初からプロに依頼した方がよかった」と、後悔する声を聞きます。

既に材料や道具の調達を終えてしまい後に引けなくなる

準備していたものが無駄になるからと、無理してでも自分でやろうとする

結局失敗してしまった

最終的に業者に頼むハメになった

屋根から落ちてケガをした

特に雨樋は、お家の外壁を全て塗りなおすよりも手軽に出来てしまうイメージが強いので、他の部位よりも雨樋のDIYについて考える方は多いです。

何度も申し上げますが、雨樋に限らずお家のリフォームをDIYするなら、それなりの経験と知識がないと個人的にはお勧めしません。

素人が少し調べたくらいで出来る気になってしまい、中途半端に手を付けて最終的にはプロにお願いするというケースに陥ります。

また、素人が高い屋根に上りながら、両手を作業に充てるということは、想像以上に大変なことです。

きちんと専門のプロの方にお願いするのがベストだと思います。

 8. 雨樋修理を成功させる方法

8-1. 工事費用を節約する方法

お家の購入から10年程経ち、雨樋の修理を考えた際は屋根や外壁と一緒に修理することをお勧めします。

理由は工事をする際、足場を設置しますよね?

この足場が意外とネックになりまして、足場を設置するのは結構費用がかかります。

なので、雨樋の修理だけで足場を設置する、そして再び外壁や屋根を修理する際に足場を設置などとしていては、トータルで見ると費用が膨れ上がってしまっていたりします。

8-2. きちんとした業者選びが大切です

これは、雨樋に限らず、お家の外観を修理する際は、外壁や屋根、雨樋、ベランダなど一気にやってしまった方が、費用を抑えられるのです。

確かに一度に全てやってしまうのはその分費用が高くなりますが、こまめにやるよりは節約にもなりますし、スムーズに工事が進むと思います。

また、これは当たり前のことですが、依頼する業者は信用できるところを選びましょう。

そして、その業者を選ぶ私たちも、ご自分の大切な我が家の状況を把握し、きちんと業者との打ち合わせに堂々と参加できるようにしましょう。

8-3. 雨樋の修理と火災保険

お家をお持ちの方は必ず加入している火災保険。

最近では、賃貸でも入居条件として火災保険の加入を強いられていると思います。

この火災保険ですが、雨樋の修理に保険金が支払われるって知っていましたか?

火災保険と聞くとお家が火事になった時にしか適用されないイメージが強いと思いますが、それは大きな間違いです。

 8-4. 火災保険の仕組み

火災保険とは文字通りお家の保険なのですが、その適用範囲としましては、台風や豪雨・積雪や落雷など、広い範囲を補償対象としています。

しかし「火災保険を使って無料でお家のリフォームをしよう」というのは少し訂正が必要です。

リフォームは≪部材や設備を新品交換及び、追加し新しく価値を高める工事≫のことを言います。

修理とは≪部材や設備の新品交換を追加せず、再び本来の価値を回復する工事≫のことを言います。

この火災保険の対象は、お家の修理に適用されるものですので、リフォームを目的とした工事に関しては、適応はされません。

 8-5. 雨樋を実費で修理する前に火災保険を適用できるかチェック

実費での修理を考えている方は、まず先に修理箇所のチャックをしましょう。

そして、保険修理の専門家・または、ご自分が加入している保険会社に問い合わせをし、現地調査を行ってもらいましょう。

 8-6. 雨樋修理の火災保険の適用範囲

火災保険の適用範囲

自分の家は補償対象ではなさそうと、諦めるのは早いかもしれません。

確かに、先ほどもお話ししたように火災保険対象になれば保険金が受け取れることに間違いはないのですが、そう聞くと大体の方は、ご自宅が対象内に入っているとは思わず、結局実費で工事してしまう方が多いのが現状です。

しかし、築15年程経過しているお家のほとんどが、少なからず自然災害の影響を受けているのも事実なのです。

何年もの間、屋根の様子を見ていない方などなおさらです。

一歩踏み出して調査を依頼してはいかがでしょうか。

自然災害で影響の受けやすい雨樋の修理も、火災保険で賄えるかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

雨樋は忘れがちになる箇所ではありますが、お家にとってはとても重要箇所になります。

多少の不具合があっても大丈夫などと後回しせずに、きちんと専門家に見てもらい、どう処置をした方がいいのかを相談しましょう。

「雨樋のダメージが、お家全体のダメージに繋がる」

これを頭の片隅に入れて、日ごろから適切な対応を心がけましょう。

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