降雪量の多い地域では、屋根の上に山の様に雪が積もる事が多々あります。
この様な地域では、屋根の上に1m以上の雪が積もる事も珍しい事ではありません。
しかし、ここまで屋根に雪が積もってしまうと落雪の危険や雪の重みで建物が破損してしまう恐れもある為、雪対策を取る事が大変重要になってきます。
しかし、屋根に上り雪を下ろす作業はかなりの重労働です。
バランスを崩して、屋根から落下して怪我をする可能性も十分にあり得ます。
危険を伴っての重労働。出来れば雪下ろしなんてしたくないですよね。
実は雪下ろしを無くす方法があるのです。
これからの冬の季節を安心して過ごせる様に、雪下ろしの手間を無くす方法をお伝えしていきます。
目次
1.雪下ろしの必要の無い屋根にする。
1-1.無落雪屋根(耐雪方式)
無落雪屋根とは傾斜の無い屋根、いわゆるフラットルーフデザインの屋根の事を言います。
東北など降雪量の多い地域では、比較的多く見られるタイプの屋根です。
平坦な屋根構造に雪を溜めて、積もった雪を地上へ落とさない形がこの屋根の一番大きな特徴です。
例えば、近年人気のあるモダンスタイルも、基本的にはこの様なデザインが元になるので、スタイリッシュなデザインの中に無落雪屋根を導入して、冬場の安心を得る事が出来ます。
自然融解を目的としているので、電気代などランニングコストもかからず雪の処理をしてくれます。
ただし、雪の重量分建物への負担が増える為、基礎構造がしっかりしていないと保ちません。無落雪屋根は新築、リフォーム、共にかなりの費用掛かるのが大きなデメリットと言えるでしょう。
2.屋根システム(融雪方式)を導入する。
屋根に取り付けた融雪装置で熱を生み、その熱によって雪を溶かす方法になります。
石油、地下水、電気、太陽熱などのエネルギーを消費する為、他の方法とは異なりランニングコストが掛かります。
確実に雪を減らす事は可能ですが、維持費が掛かってしまいます。
最近では様々なメーカーから、様々な種類の融雪装置が出ています。
そこでそれぞれのメリット、デメリットをお伝えしますね。
2-1.屋根融雪装置の種類別メリットとデメリット
2-1-1.自然落下式
屋根の傾斜を急なものにして、その名の通り自然と雪を落下させる方式。
メリット
- 省エネルギーである。
- ランニングコストが掛からない。
デメリット
- 雪の塊が落下する為、危険である。
- 落下した雪を溜めるスペースの確保が必要である。
- 気温の低い日が続くと、雪が屋根に凍着し落下しない。
2-1-2.井戸水方式
汲み上げた地下水の熱で屋根の雪を解かす方式。
メリット
- 装置、維持費共に低コストである。
- 環境に優しい。
デメリット
- 水源が深い場合には最初の費用が高くなってしまう場合がある。
- 地下水が利用出来ない地域では利用出来ない。
- 地下水の汲み上げ過ぎによる、地盤沈下の恐れがある。
2-1-3.消雪パイプ方式
汲み上げた地下水を屋根に直接散布する方式。
メリット
- 溶けムラのない融雪が可能である。
- 環境に優しい。
デメリット
- 水源が深い場合には最初の費用が高くなってしまう場合がある。
- 地下水が利用出来ない地域では利用出来ない。
- 地下水の汲み上げ過ぎによる、地盤沈下の恐れがある。
2-1-4.融雪屋根方式
ガスや灯油を燃料にボイラーで加熱した不凍液を屋根の下(又は表面)に設置されたパイプに送り、その熱で融雪する方式。
屋根表面のメリット
- コストが安い。
- メンテナンスが楽である。
- パイプが雪に直接触れる為、融雪効率が良い。
- 屋根表面への設置の為、屋根の葺き替えの必要が無い。
屋根内部のメリット
- 景観を損ねない。
- 特に板金屋根の場合は溶けムラの無い融雪が可能である。
屋根表面のデメリット
- 景観が損なわれる。
- 全体を均一に溶かす事が困難である。(融雪具合にムラが出る)
- パイプを設置する作業に時間とコストが掛かかる。
屋根内部のデメリット
- 部屋の中に結露が発生しやすい。
- メンテナンスが非常に困難である。
- 熱のロスが大きい。
- パイプを設置する作業に時間とコストが掛かかる。
2-1-5.耐雪方式
積雪の重量にも耐えられる強度の丈夫な屋根を作り、屋根の上に雪を溜めていく方式。
メリット
- 雪下ろしの必要が無い。
- ランニングコストが掛からない。
デメリット
- 建設時に構造計算や強度確保の為の費用が掛かる。
- 丈夫な屋根にする為に、信頼の出来る業者に依頼する必要がある。
3.雪止め落雪、落水防止装置(自然滑落方式)を設置する。
屋根に傾斜を付ける事で、自然に雪を滑落させる方法です。
比較的コストもかからず、維持も楽な事が特徴です。
この方法は、雪が積もる事を前程とはせずに、滑落が目的となります。
又、落雪の頻度が高くなる為、細心の注意が必要になります。
予め落雪した雪を積もらせるスペースを確保する事が必要です。
まとめ
雪下ろしを無くす方法をお伝えしましたが、あなたが実践したい方法はありましたか?
あなたの地域の降雪量や環境、建物の構造などをしっかりと踏まえた上で、これからは雪下ろしの必要の無い屋根にしてみてはいかがでしょうか?
特に融雪システムを利用する際には、それぞれのメリットやデメリットを検討して、あなたの家に一番適した方法を選択すると良いでしょう。
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