屋根に雪がたくさん積もってしまうと、窓やドアの開閉に支障が出たり、屋根の雪下ろしの際に滑落してしまったり、落雪による歩行者への事故など様々な被害をもたらす原因となってしまいます。
この様な積雪による被害を未然に防ぎ、安全を確保出来るシステムの一つに屋根融雪システムというものがあります。
毎年の降雪量が大変多い豪雪地域では、このシステムを装置しているご家庭が数多くいらっしゃいます。
非常に必要性の高いシステムです。
今回はその屋根融雪システムについてお伝えしていきます。
目次
1.屋根融雪システムとは?
屋根融雪システムとは、屋根に直接パイプやヒーターを設置し屋根に積もった雪を灯油や電力などの熱を使って水に変え処理を行うシステムの事です。
代表的な融雪システムとしては以下の様なものがあります。
- 電熱方式
- 灯油ボイラー方式
- 井戸水(地下水)方式
この中でも、今回は電熱方式の融雪システムについてお伝えしていきたいと思います。
電熱式は屋根に直接電気ヒーターを設置する為、曲面や軒先などどんな形状にも対応する事が可能で使用する電気ヒーターも様々な種類があります。
最近では携帯電話やパソコンから、外出先でも融システム機の操作(電源のON、OFF)が出来るものもあります。
2.屋根用電気ヒーターの種類
屋根用ヒーターには様々な種類がありますが、低コストで設置しやすい代表的な3種類の電気ヒーターをお伝えします。
2-1.ルーフヒーター 接着型
剥離紙を剥がして接着する為、板金工事の必要がありません。
又、防水性や耐候性に優れています。しかし、主に平らな屋根面で使用する為、屋根材によっては接着が難しい場合もあります。
メリット
- 板金工事が不要な為、簡単に設置する事が可能です。
- 防水性や耐候性に優れています。
- カラーバリエーションが豊富なので様々な屋根の色に対応が可能です。
デメリット
- 屋根材によっては対応が出来ないものもあります。
- ヒーターを曲げたり、重ねて使用する事は出来ません。
2-2.ルーフヒーター マグネット型
屋根材が磁性体であれば非常に簡単に設置する事が可能です。
カラーバリエーションが豊富なので様々な屋根の色に対応が可能です。
メリット
- 防水性や耐候性に優れています。
- ヒーターの両面に強力なヒーターを内蔵しているので効果的な融雪が期待出来ます。
デメリット
- 金属屋根にしか設置する事が出来ません。
2-3.ルーフヒーター ⅢS型(メッシュタイプ)
屋根の上から後付けするタイプなので、板金工事が不要になり難しいメンテナンスの必要もありません。
メリット
- 特殊な防食コーティングが施されているので、錆びに強いです。
- メンテナンスが簡単です。
デメリット
- 屋根材の上から被せるタイプなので、外観が損なわれてしまいます。
3.融雪システムの主な設置場所とは?
様々な場所に設置する方法がありますが、今回は代表的な3つの設置場所をお伝えします。
3-1.全面屋根融雪
積雪の多い豪雪地域で非常に活躍するのが全面屋根融雪です。
屋根面積の70~80%に亘りルーフヒーターを敷設する事で全体的に積雪を処理する事が可能です。
メリット
- ムラなく全体的に融雪が出来る為、積雪の多い豪雪地域では大活躍です。
デメリット
- 広範囲なので、設置費用や維持費用(電気代)が高額になる可能性があります。
3-2.屋根谷部の部分融雪
雪が積もりやすい谷部分のみに設置する屋根融雪システムです。
雪の重量で圧迫され、ドアや襖の開閉がしづらくなるのを防ぎます。
メリット
- 谷部分のみなので、低コストで設置する事が可能です。
デメリット
- 谷部分を中心に融雪する為、大きなムラが出てしまいます。
- 谷部分だけの融雪でも建物へのダメージは防げますが、あまりの豪雪地域には向いていません。
3-3.軒先部分屋根融雪
軒先の氷柱対策、落雪防止、すが漏り対策に非常に効果的なのが軒先部分屋根融雪です。
屋根材に合わせたヒーターを軒先の先端からその地域の積雪の深さと同程度の幅まで敷設をするので、それぞれの地域に合った融雪システムが設置出来ます。
メリット
- 軒先に出来る氷柱や落雪などを防ぎます。
- 軒先部分のみなので、低コストで設置する事が可能です。
- 短期間で設置が出来て、屋根の形状も変わりません。
デメリット
- 軒先部分のみの設置の為、融雪出来る範囲にムラが出来てしまい融雪に時間が掛かかります。
まとめ
ご存じの通り、屋根は雪から建物を守る大切な役割を担っています。
その屋根に問題が生じれば、私達の生活にも大きな支障をきたしてしまいます。
そうならない為にも融雪システムなどで雪からの被害を避けなくてはなりません。
そうは思っていても、費用の事を考えるとなかなか踏み出せないですよね?
しかし融雪システムは、一度設置すれば特別なメンテナンスの必要もありません。
更に、融雪用電力という融雪専用の料金プランを使用する事により、ワンシーズン約2万円からと一般的な電力に比べてランニングコストも抑えられます。
先程お伝えした様に融雪システムには様々なメリットやデメリットがあり、費用もそれぞれ異なります。
全体的に融雪したいのか、コストを抑えて最小限で部分的な融雪で良いのか、あなたのご希望に合った融雪システムを取り入れて快適な冬を過ごしてみられるのはいかがでしょうか。
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