何年も屋根の手入れをしていないと、どのくらい痛んでるのかわからず、訪問営業の方に「瓦がずれてますよ」とか「瓦割れちゃってますね」とか言われると怖くなってしまって言われる通りの工事で契約をしてしまいがちです。
でもちょっと待って下さい。
屋根のメンテナンス方法は痛みによって様々です。
そこで、どんな修理方法があるのかまとめてみました。
目次
1.瓦屋根の劣化症状とチェックポイント
1-1.瓦が割れている
瓦が割れる原因は錆びた釘の膨張によるものがあります。
経年劣化による場合もあります。
1-2.瓦がずれたり浮いている
風や地震の揺れによって瓦がずれてきてしまいます。
また、瓦を引っ掛けている桟木の劣化が原因となる場合も多いでしょう。
1-3.漆喰が崩れてきている
長年、外にさらされていると風雨や日光によって漆喰が劣化していき崩れてしまうことがあります。
また、瓦がずれる時に一緒に崩れてしまいます。
1-4.のし瓦がずれてきている
昔の工法だとのし瓦は釘などでとめていません。
土葺き工法で土の上にのし瓦を置いているだけなので、年数が経つと下地の土と瓦の密着性が弱まりずれてきてしまうのです。
1-4.釘が浮いている
コーキングの劣化や、風、地震の揺れによってだんだんと釘が浮いてきてしまいます。
また、雨水による錆びが原因となることも。
2.瓦屋根の修理方法
2-1.瓦交換工事
割れてしまった瓦のみの交換で済む場合の修理方法です。
割れている瓦の下地部分やルーフィングの劣化具合も一緒に調べ、問題が無ければ新しい瓦に取り替えます。
2-2.くぎの打ち直し
強風や地震などの影響で浮いてきてしまっている釘を打ち直す方法です。
また、経年劣化した釘は腐食してしまって、本来の役割を果たせなくなってしまっています。
その場合は、新しい釘を使用します。
しかっりと打ち直したら、釘穴にコーキング処理をします。
2-3.漆喰修理
漆喰は瓦と瓦の接着剤です。漆喰が痛んでしまうと、瓦がずれてきたり、雨漏りの原因となります。
行程は、まず葺き土が見えてくるまで漆喰をしっかりと剥がします。
新しい漆喰との密着性を高めるために葺き土を湿らせます。
そして、漆喰を隙間無く均一に塗り込み、表面をコテでならしていき乾燥させます。
2-4.棟瓦、のし瓦の積み直し
まずは、棟瓦を取り外します。
のし瓦がずれている場合は全て撤去します。
シルガード等の葺き土を置き乾燥させ土台を作り直します。
新たらしい瓦を積んでいきます。
2-5.葺き直し
瓦の割れやヒビは修理で直せそうだけど、下地材やルーフィングが痛んでしまっている場合は、既存の瓦を撤去して、下地材ルーフィングを交換します。
その後、撤去した瓦を葺き直します。
新しく瓦を用意する必要がないため、葺き替えよりもコストを抑えることができます。
3.屋根修理はDIYでも可能?
近頃流行りのDIY。昔は日曜大工なんて言われていましたね。
ホームセンターでもDIYグッズが充実していて、屋根の修理をやってみようと検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
瓦のヒビをパテで修復したり、防水テープを貼ったり、少し上級者になると瓦の交換までできてしまう事もあります。
4.瓦屋根の修理事例
【事例1】漆喰の上塗り
漆喰をしっかりと剥がすことなく上塗りしてしまいのし瓦からはみ出してしまっていると、漆喰が雨水を受けて棟の中に侵入してしまいます。
【事例2】瓦の重なり部分にコーキング処理
雨漏りの原因は瓦の重なり部分があいているからではないかと考え、コーキングで埋めてしまった。(ラバーロック)
ラバーロックについてはこちらをご参考ください。→【ラバーロックの正しい使い方と効果について】
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「瓦が割れているので、葺き替えましょう」などと、ろくに屋根も見ずに言ってくる業者がいたら、きっぱりと断って下さい。
瓦は耐用年数が長いとても丈夫な屋根材です。
すぐに葺き替える必要がない場合も多いので、きちんと診断してもらい、ぴったりの修理方法を選んでもらってください。
また、DIYの項でご説明した通り、知識の浅い方が軽い気持ちで修理をするとかえって大がかりな工事になってしまうケースがあります。
下地材の状態などの判別も難しいので、屋根修理に精通している業者にお願いすることをおすすめします。
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