コロニアルは耐久年数が比較的長い屋根材としても知られています。
ですが、それはやはり定期的なメンテナンスがあってこそです。
では、コロニアルのメンテナンス方法とはいったいどうしたら良いのでしょう。
定期的な塗装だけで良いのか、他に気をつける点はあるのか、解説していきたいと思います。
目次
1.コロニアルとは
コロニアルとは、クボタ松下電工外株式会社のスレート屋根材の商品名です。
コロニアルは、セメントと繊維質を混合して形成したものです。
以前は、アスベスト(石綿)が使われていたのですが、2004年に法令でアスベストの製造、使用が禁止になったため、現在で使われる事はありません。
コロニアルの特徴についてはこちらもご参考ください。→【コロニアル屋根の特徴とメリット・デメリット】
2.コロニアルの劣化症状
2-1.屋根板金の色あせ、錆び
コロニアルは板金で固定されています。
板金も屋根面と同様に塗装されているので、時間と共に色あせてきます。
塗膜が劣化すると防水機能が低下します。板金は金属なので錆びてきてしまいます。
そのままにしておくと劣化が進み、穴があくなどの不具合から雨漏りに繋がっていきます。
2-2.屋根板金の浮き、はがれ、釘浮き
釘やビス等で固定された板金は、釘が浮いてくると安定が悪くなり、浮いたり、剥がれたりしてしまいます。
その隙間から雨水が浸入してくるので、雨漏りに繋がっていってしまうのです。
また、悪天候時には板金部分が落下してきたり、飛んで行ってしまったりすることがあるので大変危険です。
2-3.コロニアルのヒビ、割れ
コロニアルはヒビが入りやすい屋根材です。ヒビだけでなく、ひどい場合は割れてしまう事もあります。
原因はいくつかありますが、屋根の上のアンテナの倒壊や、塗膜の劣化によるものなど様々です。
屋根に傷がつくと下地に直接雨水があたるようになり、やはり雨漏りの原因となってしまうのです。
2-4.コロニアルの色あせの苔、藻、カビ
コロニアルの屋根表面は少しガタガタしています。そこに水分が貯まってしまうと苔や藻、カビが発生してしまうのです。
苔、藻、カビは主に日光が当たりづらい北側の屋根に多く発生します。
美観が失われるという点も大きいでしょう。
2-5.コロニアルの色あせ
コロニアル色あせは経年劣化が原因で起こります。
色あせは塗膜剥離が起きている状態です。
また、塗料の剥がれなど時間とともに起こる劣化症状です。
3.コロニアルの塗装
3-1.コロニアルのメンテナンス時期
コロニアルの一般的には10年に1度のスパンで考えられています。
これは、あくまでも目安です。
塗り替えの時期は周辺環境や気象状況などが影響されるからです。
塗装の必要性の判別方法としては、上記の劣化症状が出てきたらメンテナンスを行う必要があると思ってください。
3-2.コロニアルの塗装方法
【工程1】高圧洗浄と下地処理
まず、コロニアルの汚れを高圧洗浄機で洗浄していきます。
その後、ケレン作業に入ります。
この処理を手抜きすると、その後の屋根の状態に大きく関わってくるので丁寧に時間をかけてしっかりと処理することが重要です。
【工程2】修理、補修
板金の釘浮きや、ゆるみがある場合は、釘を打ち直したり、コーキングで穴埋めをしていきます。
また、棟の継ぎ目の隙間や屋根面のヒビもコーキングが必要です。
【工程3】下塗り
屋根面への塗料の吸い込みを抑え、上塗り塗料との密着性を高めるために下塗り塗料を塗っていきます。
【工程4】中塗り、上塗り
屋根塗装は最低でも3回塗りが基本です。
中塗り、上塗りに使う塗料ですが、外壁塗料などに比べると耐久性が高いものが多いため、必ず屋根専用の塗料を使用して下さい。
【行程5】縁切り
スレート屋根は塗装をすると屋根材が重なっている部分が塗料でふさがってしまう場合があります。
そこで、塗料のつまり部分に切り込みを入れていきます。
この作業を縁切りと言います。
縁切りをしないと、雨水が行き場がなくなり屋根材に染みこんでしまい、雨漏りの原因に繋がってしまいます。
業者によって、タスペーサーという部品を重なり部分に差し込も方法を取るところもあります。。
4.コロニアルの塗料
メーカー | 下塗り剤 | 上塗り材 |
エスケー化研株式会社 | 屋根フレッシュシーラー(水性) | ヤネフレッシュ(水性)(溶剤) |
マイルドシーラーEPO(水性) | クールタイトシリーズ(水性)(溶剤) | |
日本ペイント | 1液ベストシーラー(水性) | 水性シリコンベストII |
ファイン浸透シーラー(水性) | サーモアイ水性SI | |
ファインシリコンベスト(溶剤) |
5.コロニアルの塗装以外の施工方法
経年劣化し塗膜が無くなってくると、雨水等が貯まるようになっていくと、水分の吸収と蒸発を繰り返し、コロニアル瓦は反り返ってきます。
痛みの具合によりますが、屋根の塗り替えでは対処仕切れない場合の施工方法をご紹介します。
5-1.カバー工法(重ね葺き)
古い屋根材を撤去せずに新しい屋根材を重ねて葺きます。
余分な廃材が出ないため低コストで工事できますが、屋根を重ねる分重量が上がってしまう側面があります。
5-2.葺き替え
既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材を取り付けます。
大がかりな工事になるため、期間も費用もかかります。
ですが、痛みが激しい場合は葺き替え工事をおすすめします。
まとめ
定期的にメンテナンスを行っていないコロニアル瓦は上を歩くだけで割れてしまうことがあります。
もともと割れやすい屋根材ではありますが、定期的に塗装をするだけで耐久性のもちが全然変わってきます。
では、定期的にやらなければならないとなると自分でコロニアル瓦は塗装しようかなと考える方も多いでしょう。
結論から言わせていただきますが、屋根の塗装は職人さんにお願いしましょう。
なぜかと言うと、まず第一に屋根の上での作業は危険だから避けて欲しいからです。
慣れていない方が屋根の上で作業するということは思っているよりずっと難しいことです。
また塗装だけでなく、塗料の飛散防止の為にネットを張ったり、清掃をしたりとしなければならないことがたくさんあります。
そして、痛みの具合によっては塗装だけではカバーしきれず、間違った塗料を使用したりするとかえって劣化を早めてしまうこともあります。
気になる点はプロに相談して、定期的なメンテナンスをお願いしましょう。
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